ものづくり補助金とは?申請資格・利用するメリットやデメリットなどを解説!

会社に設備投資をしたいけど、新型コロナウィルスの影響でどうなるかわからないので、設備投資ができなくて困っていませんか?

「ものづくり補助金」という制度を利用すれば「設備投資」に対する「補助金」を受け取ることができます。

この記事では、ものづくり補助金の概要、ものづくり補助金を申請するメリットやデメリット、ものづくり補助金の申請方法や申請書類等について解説します。

この記事を読めば、ものづくり補助金の概要について理解できるので、申請などがやりやすくなります。

ぜひ参考にしてみてください。

ものづくり補助金とは?

「ものづくり補助金」とは、ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金を略した呼び方。

中小企業や小規模事業者等が取り組む革新的サービスの開発や試作品開発・生産プロセスの改善などを行うための設備投資等を支援するための補助金です。

2009年から既に始まっている制度で、補助金の額は1,000万円か費用の2分の1〜4分の3です。また、補助金なので返済の必要がありません。

通常のものづくり補助金では、以下の3種類のタイプがあります。

一般型革新的サービスの開発や試作品開発・生産プロセスの改善などを行うための設備投資を行う最大1,000万円の補助金
グローバル展開型海外事業の拡大・強化を目的とした設備投資などを行う最大3,000万円の補助金
ビジネスモデル構築型中小企業30社以上に対して条件を満たす事業計画の策定支援プログラムを開発・提供する最大1億円の補助金

それぞれ、条件や補助金が違うので、申請前にどのタイプに該当するのかよく理解しておきましょう。

コロナウィルスの影響で申請がしやすくなった

ものづくり補助金は元からある制度です。

ただし、3次締め切り以降、(全部で5次まである)昨今の「新型コロナウィルス」の影響に対応するため前向きな投資を行う事業者の「特別枠」が設定されました。

特別枠には以下のメリットがあります。

特別枠のメリット内容
優先的に採択特別枠で審査の結果が不採択でも、通常枠で優先的に採択される
補助率が高くなる通常の補助率よりも高くなる類型Aは2/3類型Bと類型Cは3/4
補助対象の遡及適用※営業費用を補助対象に申請要件の緩和
感染症防止対策の最大50万円・定額補助の事業再開枠を上乗せ可能感染症防止対策のための取り組みを行えば、最大50万円・定額補助を別枠で上乗せできる

※遡及適用とは、交付決定日前に発注した事業に要する経費も補助対象として認められること

コロナウィルスの影響による特別枠で申請をすれば、通常の申請よりも採択の可能性が高くなります。また補助率も高くなるので、通常枠よりも補助される金額も高くなるのです。

なお、これらのメリットは、2次締切の特別枠採択者も利用できます。

ものづくり補助金で補助を受けられるものとは?

ものづくり補助金のうち、一般型及び特別枠における補助金を受けられる対象について解説していきます

一般型の対象は、以下のような設備投資のための費用に対して補助金が下ります。

  • 機械・装置・工具などの購入・製作・借用の費用
  • 専用のソフトウェア・情報システムの購入や構築・借用の費用
  • 改良や修繕についても対象
  • 運搬をするための費用
  • 知的財産権の導入費用
  • 知的財産等を取得するためにかかる弁理士の手続代行費用など
  • 新商品やサービスの開発に費用な加工や設計などを一部外注する際の費用
  • 事業をするために雇った専門家への費用
  • クラウドサービスの利用料
  • 試作品の開発に必要な原材料などの購入費

そのため、人件費・広告宣伝・販促費などは対象ではありません。一方、特別枠については、以下のような設備投資が対象です。

A類(サプライチェーンへの毀損の対応)顧客への製品供給を継続するために設備投資や製品開発
B類(非対面型ビジネスモデルへの転換)キャッシュレス端末やEC販売など非対面や遠隔サービスをするための設備投資
C類(テレワーク環境の整備)テレワークをするために必要な環境の構築

なお、B類とC類に関しては、補助対象経費の6分の1以上の金額を含む設備投資をすることで、4分の3の補助金を獲得できます。

また、一般枠では対象外である「広告宣伝費」や「販売促進費」も対象に含まれます。特別枠と同時に申請できる「事業再開枠」については、以下のような費用が対象です。

  • 消毒設備の購入費用
  • マスクやフェイスシールドの購入費用
  • 清掃作業の外注費用や石鹸・手袋などの購入費用
  • アクリル板設置などの飛沫対策の費用
  • 換気設備の購入費用
  • クリーニング外注費用や体温計など衛生管理のための費用
  • 顧客への呼びかけに利用するポスターやチラシの外注費用や印刷費

このように、コロナウィルスの影響により補助金の対象は広がっているため、該当する方はぜひ申請をしましょう。

ものづくり補助金を利用するメリット

ものづくり補助金を利用するメリットは、以下の3つです。

  1. 補助金の額が大きい
  2. 事業規模を大きく伸ばすことも可能
  3. 専門家と意見交換をする機会が増える

順番に解説します。

1.補助金の額が大きい

ものづくり補助金は補助金の額が大きく、一般枠と特別枠は1,000万円です。またビジネスモデル構築型では1億円の補助金が受け取れます。

設備投資をしたくても資金が少ない中小事業者にとっては、メリットが大きい制度です。

2.事業規模を大きく伸ばすことも可能

ものづくり補助金は、設備投資の費用に対して補助金を受けられます。そのため、設備投資をしながら、大きく事業を伸ばすことも可能です。

また、作業や業務が効率化することで、売上を伸ばすだけでなく、業務の負担を減らすこともできるようになります。

3.専門家と意見交換をする機会が増える

ものづくり補助金の申請のためには、専門家の支援を受けることが不可欠です。

申請をきっかけに専門家と意見交換をする機会が増えるため、様々な情報の共有などもしてくれるでしょう。

専門家は金融機関の担当者、商工会議所、民間のコンサルタントなど様々です。

ものづくり補助金を申請するデメリット

ものづくり補助金を申請する際のデメリットについて解説します。主なデメリットは以下の2つです。

  1. 必要書類の記入が面倒で、手間もかかる
  2. 補助金は後払いなので、設備投資できるお金がなければならない

順番に解説します。

1.必要書類の記入が面倒で、手間もかかる

ものづくり補助金は必要書類が多いため記入が面倒で手間もかかります。

また、初めて申請する人にとって、事業をやりながら多くの必要書類を揃えて提出するのは、苦労することが多いです。

そのため、多くの人が専門家に記入方法を教えてもらったり、ものづくり補助金についてのアドバイスを受けています。

2.補助金は後払いなので、設備投資できるお金がなければならない

ものづくり補助金の補助金は補助対象の事業が終了してからの後払いです。補助金が下りるまで半年以上掛かるため、設備投資などの費用を自前で用意しなければなりません。

補助金がもらえるまでの間に資金繰りには注意が必要です。

ものづくり補助金の申請方法や申請資格・申請書類とは?

ここからは、ものづくり補助金の申請方法・申請資格・申請書類について解説します。

申請方法について

まず、ものづくり補助金の申請方法は「電子申請」のみです。郵送など他の方法では申請できません。

ものづくり補助事業公式ページから電子申請を行いますが、事前に「GビズIDプライムアカウント」の取得を行ってから申請を行います。

また、ものづくり補助金は申請すれば、必ず採択されるわけでありません。

2020年のものづくり補助金の採択状況については、既にホームページで発表されており、以下のような結果になりました。

申請スケジュール申請者数応募者数
一般型一次2,2871,429
一般型二次5,7213,267
ビジネスモデル構築型35618

(データ引用元:ものづくり補助事業公式ホームページ ものづくり補助金総合サイト

一般型の採択率は50%〜60%台前後です。コロナウィルスによる特別枠の採択率については、2020年7月現在まだ発表をしていないですが、どうなるか気になりますね。

申請をする際には、自分だけで申請をするのではなく、専門家の意見を仰ぎながら申請書類を作った方が採択される確率も上がります。

申請資格について

ものづくり補助金の一般枠の申請資格については以下の通りです。

  • 日本国内に本社及び実施場所を有する中小企業者および特定非営利活動法人
  • みなし大企業ではないこと
  • 補助対象外事業ではないこと
  • 申請締め切り日前10ヶ月以内に同一事業の採択決定及び交付決定を受けていない

以上の資格に加えて、

  • 事業者全体の付加価値額が年率3%以上向上
  • 事業計画期間(補助金交付後3~5年間にわたって)において給与支給総額が年率平均1.5%以上向上
  • 事業所内最低賃金が地域別最低賃金+30円以上である

の3つの資格を満たしている必要があります。付加価値額については、営業利益・人件費・減価償却費を足したもののことです。

また、新型コロナウィルスの影響を受け、特別枠で申請をした事業者の場合は、賃上げ額や付加価値額増加の目標について、翌年度から数えて3年〜5年以内に目標を達成する計画があれば申請できます。

必要書類について

ものづくり補助金の申請時には、以下の必要書類を用意しなければなりません。

  • 決算書として直近2年間の賃借対照表・損益計算書など
  • 事業計画書(取り組む内容・将来の展望など)
  • 3~5年計画で「付加価値額」年率3%及び「経常利益」年率1%の向上を達成する計画書
  • 賃金引上げ計画の表明書
  • その他加点に必要な書類(経営革新計画承認書・開業届または履歴事項全部証明書・事業継続力強化計画認定書・事業継続力強化計画認定書)

審査で、加点に必要な書類を用意しておけば、審査に有利になるので、なるべく用意しておきましょう。

参考:ものづくり補助金総合サイト/ものづくり補助事業公式ホームページ

申請から補助金がもらえるまでのスケジュールとは?

一般型の公募スケジュールについては以下の画像の通りです。令和3年2月までが公募期間になっており、合計5回の公募が行われる予定です。

(画像引用元:ものづくり補助事業公式ホームページ ものづくり補助金総合サイト

まとめると、以下の手順で補助金を受け取れます。

  1. 公募開始
  2. 必要書類作成をして、申請
  3. 審査
  4. 交付請求および交付決定がされる(申請受付日から約4ヶ月)
  5. 事業実施・実績報告を行う(交付決定から10ヶ月以内)
  6. 確定検査
  7. 補助金の請求後、補助金がもらえる

交付決定日から10ヶ月以内に対象の事業を実施しなければなりません。また、最後の応募締切は令和3年2月(5次)までです。

詳しい5次募集の締切日については、2020年7月時点では未定なので今後の発表を待ちましょう。

そして、補助金がもらえる時期は、補助事業期間から1ヶ月前後のため、もらえるまでに時間がかかる点には注意しましょう。

参考:ものづくり補助金総合サイト/ものづくり補助事業公式ホームページ

ものづくり補助金を申請する場合の注意点

ものづくり補助金を申請する場合には以下の注意点があります。

  1. 審査の目的や成長・収益が見込める分野でなければ採択されない
  2. 補助金対象は1年目のみ
  3. 虚偽申告をすると詐欺罪になる
  4. 補助金の返還を求められることもある

順番に解説します。

1.審査の目的や成長・収益が見込める分野でなければ採択されない

ものづくり補助金は成長や収益が見込める分野について革新的な取り組みをした事業者に対して補助金が下ります。

そのため、成長や収益が見込めない分野の設備投資費用などを記載しても審査に通りません。

自社がやろうとしている設備投資が目的に合致するのかどうかは、専門家の意見を仰いで判断した方が良いでしょう。

2.補助金対象は1年目のみ

ものづくり補助金の対象は1年目のみです。そのため、大掛かりな設備投資を行う場合は注意が必要です。

補助金が下りても2年目以降に莫大なランニングコストがかかり、経営を圧迫することは避けなければなりません。

3.虚偽申告をすると詐欺罪になる

ものづくり補助金で必要書類を提出する際に、虚偽申告をすると詐欺罪にあたります。

例えば、発注書の日付を偽造して、決められた事業実施機関以外に設備費用などを発注をすると補助金の対象外です。

補助金の返還はもちろん、不正受給について公表され、社会的なイメージダウンにつながる可能性もあるので、虚偽申告はやってはなりません。

4.補助金の返還を求められることもある

補助金を一度受け取っても、要件を満たしていないことがわかれば、補助金の全額か一部を返還しなければなりません。

申請時点で従業員に対して賃上げ計画を表明していない全額を返還
事業計画が終了した時点で給与支給総額要件が未達成残存簿価等×補助金額÷実際の購入金額を返還
毎年度末(毎年3月)時点で最低賃金要件を満たしていない補助金額÷計画年数を返還

そのため、申請が通ったからといって、安心はできません。

まとめ

ここまでものづくり補助金について解説してきました。

ポイントをまとめると、

  • 従来の一般型などに加えて、コロナウィルスの影響を受けた事業者が対象の特別枠が新設された
  • ものづくり補助金の申請は5次まであり、最後の締切は令和3年2月予定
  • 必要書類を揃えた上で採択されるために、専門家の意見を仰いだほうが良い
  • 補助金は事業実施後にもらえるので、資金繰りには注意する

コロナウィルスの影響により、ものづくり補助金の採択されやすくなっています。

最大1,000万円の補助金が下りるので、コロナ関連の対策をする予定の事業者は申請をした方が良いでしょう。