個人事業主が節税をすべき理由とは?2つの節税対策もご紹介

経費をうまく使って「節税したい」そう考える個人事業主の方は多いもの。でも、そもそもなぜ節税する必要があるのでしょうか?

今回はそんな疑問をお持ちの方に向けて「個人事業主が節税をすべき理由」について解説していきます。

個人事業主が払うべき税金の種類

個人事業主が節税をすべき理由をご紹介する前に、まず個人事業主が支払う税金の種類について確認しておきましょう。具体的には、下記のような税金を払う必要があります。

1.ほとんどの個人事業主が払う必要のある税金

  • 所得税
  • 住民税

所得税と住民税については、ほぼ全ての個人事業主が払う必要のある税金です。所得税について詳しく知りたい方は「個人事業主の所得税の計算方法は?所得控除を使った節税対策も紹介!」、住民税については「個人事業主の住民税の基礎知識をまるっと解説!期日や支払い金額は?」をご覧ください。

2.条件を満たした個人事業主が払う必要のある税金

  • 事業税:年間所得290万円以上かつ法定職種の方
  • 消費税:基準期間または特定期間の課税売上高が1,000万円を超えた方

その他に、自動車税や固定資産税などが課せられる場合もあります。

関連記事:消費税の疑問をすっきり解決!売上高1,000万円以下の個人事業主向け

個人事業主が節税すべき理由とは?

節税対策をする必要がないほど稼ぎがある人ならいざ知らず、出来れば税金額は安く済ませたいもの。なぜ個人事業主はわざわざ節税対策をする必要があるのでしょうか?

その理由は、個人事業主はきちんと節税対策をしないと支払う税金が想像以上に高くなるからです。

税金からみる個人事業主の節税

まず、税金という観点から個人事業主の節税についてみていきましょう。

1.「所得税」からみる節税

ほとんどの個人事業主の方は所得税を支払う義務があります。

簡単に所得税について復習しておきますと、所得税は「所得に税率を掛けて算出される税金」のことです。この場合の「所得」とは、売上から費用を引いた金額です。

例えば、節税対策を行わなかった場合の所得を「100」とします。そして、節税を行った場合の所得を80とします。

所得税は、所得に税率をかけて算出されるため、それぞれに同じ税率を掛けた場合、当然所得が「80」の方が支払うべき税額が安くなります。

節税をすることで「所得」の金額を抑えることができるので、節税をした人は支払う税金が安くなるのです。反対に言えば、節税対策をしなかった個人事業主は、より高い税金を支払うことになるのです。

個人事業主の場合、事業に利用したコスト(=経費)を適切に精算することで、節税が可能です。

個人事業主の節税対策についてより詳しく知りたい方は、「フリーランスの節税対策6選!経費や控除を利用すれば税金が安くなる」をご覧ください。

2.「その他の税金」からみる節税

所得税以外の税金についても、基本的な考え方は所得税の場合と同じです。

例えば、事業税は総収入金額(売上)から経費と事業主控除を引いた額に税率を掛けて算出します。同じ税率を掛けるのなら、売上が少ない方が税金額が安く済みます。

節税によるメリットを考えずに、売上を少なくすることは収入額が減ってしまうことと同義なので、あまりおすすめできません。経費をうまく活用することで節税を行うようにしましょう。

会社員と比べた場合の個人事業主の節税

節税と聞くと、なんだかいけないことをしているような気がしてしまう方、いらっしゃらないでしょうか?「会社員はちゃんと支払っているのになんだか後ろめたい」そう思ってしまう心優しい方もいますよね。

実は、会社員もある意味しっかり節税対策をしています。個人事業主と大きく違う点は、会社員の場合自分で節税対策を行っているという訳ではないということです。

会社員は、経費を会社が支払う仕組みになっている

個人事業主なら自分で買うことになる仕事用のパソコン。会社員の場合、こちらは会社から貸与されることになります。

パソコンにいくらお金を使っても、自らの収入額には何ら影響がなく、それゆえ会社員が支払うことになる税金額にも何の影響も与えません。

個人事業主は、自分で経費を支払う必要がある

一方、個人事業主の場合はそうはいきません。パソコンを購入しようとすると、自らの財布からお金を出す必要があります。

そのときに、個人事業主は事業用の財布からお金を支出する必要があります。事業として支出をする、イコール経費として精算しなければ高い税金を支払う必要が出てきてしまうからです。

会社員と個人事業主の節税について比較すると…

もう少し具体的にみていきます。会社員の場合、自分のお金が手元に20万円あったとしても、会社用のパソコンは自費で出費する必要がなく会社から貸与されます。そのため手元のお金は減らずに20万円のままです。

個人事業主の場合は自分の手元のお金(=事業用のお金)から支出する必要があります。手元に20万円あった場合、パソコン代の10万円はそこから支払う必要があります。そのため、手元に残るお金は10万円となります。

この残った20万円、10万円を所得と考えた場合、この額に税率をかけて税金額を算出することになります。当然10万円に税率を掛けた方が税金額が安くなります。

ここだけみると「個人事業主の方がお得なるのでは?」と思ってしまいますよね。しかし、そうではありません。ここで手元に10万円残せる個人事業主は、適切に経費精算をしている個人事業主のみとなります。

もしこのパソコン代を経費として精算していなかった場合(=事業に係る費用として計上していなかった場合)は、パソコン代は費用とすることが認められません。

そのため、手元には10万円しかないにも関わらず、パソコン代10万円分も加えた20万円分に税率をかけた税金を納めることになります。経費にした個人事業主と比べると税金額が高くなってしまいますね。

また、会社員は20万円分に税率をかけた税金を納める必要が出てきますが、貸与された10万円分のパソコンを無償で利用することができます。そのため、手元に30万円分の金銭的価値があるとの見方もできます。しかし、納める税金は20万円分のみです。

個人事業主はパソコンを買えば手元のお金が減ります。そして、経費にしなければ税金額が上がり手元のお金はさらに減ります。自分でパソコンを買う必要がある個人事業主は、経費精算を行うことで節税対策をしない限り会社員に比べて損しかないのです。

個人事業主ができる節税対策2つ

個人事業主が自分でできる節税とは何でしょうか?

ほとんどの個人事業主の方は所得税と住民税を支払う義務があります。この二つはそれぞれ税率こそ違っていますが、どちらも所得に対して課せられる税金です。つまり、この二つを節税しようとするならば、所得を低く抑えることが有効です。

これから先では2つの所得を抑える方法についてみていきます。

1.経費精算を適切に行うことで節税する

所得を抑える上で一番重要となってくるポイントは、経費精算を適切に行うということです。取りこぼすことなくこまめに費用を計上していくことで、所得を抑えることができます。

普段の事業活動の中で、本来なら経費にできるのにし損なっている経費はないでしょうか?例えば自宅で仕事をした際の電気代やWi-Fi代。按分が面倒だからといって経費計上をさぼってはいないでしょうか。月々では微々たるものでも、1年間累積すると結構な金額になってきます。

またはコンビニで買ったノート代やコピー代。「10円や100円のレシートをわざわざ取っておくのは面倒」と、レシートを捨ててしまってはいないでしょうか?もちろんこれらも立派な経費。面倒だからとスルーすることなく、適切な経費精算を心掛けましょう。

2.白色申告から青色申告に切り替えよう

個人事業主の確定申告は白色申告と青色申告の2種類があります。その際、青色申告を選ぶことで白色申告より高い所得控除を受けることができ、結果として税金額を安く抑えることができます。

青色申告に切り替えるためには、事前に税務署への届出が必要になります。また、仕訳の計上方法も変更をする必要がありますので、前もって準備をするようにしましょう。

まとめ

個人事業主は節税対策を行った方がお得です。節税対策をしないと、した場合に比べて高い税金を支払うことになってしまうからです。

節税対策には、経費精算を適切に行うことがおすすめ。面倒だからと放置せず、こまめな経費精算を心がけましょう。