請求書をすぐに現金化!フリーランスも使える「ファクタリング」とは?

今月の支払いどうしよう…取引先からの入金は、まだ先だし。フリーランスとして働いていると、たまに起きてしまうこんな状況。特に、取引先が切り替わるタイミングや、大きな案件を受けた直後など、キャッシュフローが怪しくなることもしばしば。

今回は、そんな「入金待ち貧乏」になってしまったフリーランスの強い味方「個人向けファクタリング」について、ご紹介していきます。

ファクタリングとは?

ファクタリングとは、売掛債権(わかりやすく言えば、入金待ちの請求書)を買い取ってくれるサービスのことです。

ファクタリングを利用すれば、入金日より早いタイミングで請求書を現金に換えることができます。

銀行融資や貸付(キャッシング)とは異なり、審査は請求先の会社の信用や、過去の業務実績から行なわれるため、利用者の信用は関係ありません。

クレジットカードが作れなかったり、融資やキャッシングが通らなかった人でも利用することができるため、信用が積み上げにくい個人事業主にとって嬉しいサービスなのです。

ポイント

  • ファクタリングは請求書の買取サービス。
  • 翌月や翌々月に入金予定の請求書を、予定より早く現金化できる。
  • 融資やキャッシングを断られていても、利用が可能。

ファクタリングが生まれた歴史と背景

中には「ファクタリングをはじめて聞いた。」「信用できるサービスなの?」と感じる方もいるかもしれません。 なぜ、このようなサービスが生まれたのか、ちょっと面白い歴史や背景があるので、ご紹介したいと思います。

ファクタリングの前身

ファクタリングが日本で使われるようになったのは、1970年代の初頭。元々は、大手の金融機関がごく一部で取り扱っていて、日本では全くと言っていいほど浸透していませんでした。理由は「取引手形」という、ファクタリングに類似した商習慣が残っていたから。ピーク時には、なんと、4,797兆2,906億円ものお金が「手形取引」によって動いていたそうです。

※「手形」とは、支払期日までに記載された金額を払うことを約束した有価証券(自分の財産であることを証明する書類)のことで、手形を使った取引のことを「手形取引」という。

参考:2018年「手形・でんさい」動向調査

バブル崩壊後、取引手形が衰退し、ファクタリングが台頭

しかしある時を境に、取引手形が衰退し、ファクタリングが台頭してきました。それが、バブルの崩壊です。日本を襲った金融不安によって「発行するにも、換金するにも手数料がかかる」「一度書いた額面を変更できず、換金において利便性が低い」「1度でも不渡りを起こすと、銀行からの取引停止、融資を受けられなくなる」など、世のビジネスマンたちは手形のデメリットを痛感することになりました。手形の仕組みを悪用した詐欺事件も横行したこともあり、自ずと手形取引への信用が減少。別の手段が模索されることになったのです。

そうして「ファクタリング」が新たな手段として日の目を浴びることになり、今日では便利な資金調達の手段として定着するに至ったわけです。

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ファクタリングの3大メリット

ファクタリングの歴史や手形との違いを理解したところで、改めてファクタリングを活用するメリットについて確認していきましょう。

ファクタリングは大きくわけて3つのメリットがあります。

1.資金調達が早くて簡単!

資金調達が早いのが、ファクタリングの最大の強みと言っていいでしょう。

例えば、銀行融資の場合には、融資がおりるまで通常約1カ月、希望金額によっては保証人や担保を必要とするので、2か月以上かかる場合もあります。

しかし、ファクタリングでは請求書さえあれば最短即日に資金調達ができるのです。

2.赤字決済や税金滞納でも利用ができる!

ファクタリングは、赤字の会社を経営している人や税金を滞納している人でも、利用できる可能性があります。融資や貸付の場合には「利用者自身」の信用や財務状況が審査に大きく影響しますが、ファクタリングは売掛金を支払う「取引先」の信用や経営状態が重視されるためです。

3.未回収になった際の責任を負う必要がない!

ファクタリングは「請求書の譲渡」になるため、万が一、取引先が倒産したりなどの理由で未払いとなっても、利用者は責任を負う必要がありません。

利息がかからず、後に引かないといった点でも融資や貸付とは違った利便性があります。

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ファクタリングの仕組み

ファクタリングは、「自分」「クライアント」「ファクタリング業者」の3者により取引が行なわれます。

また、クライアントの関わり方によって、下記の2つに分類することができます。

  1. 2社間ファクタリング
  2. 3社間ファクタリング

ここでは、2社間ファクタリングと3社間ファクタリングの仕組みの違いについて見ていきましょう。

2社間ファクタリング

2社間ファクタリングとは、「自分」と「ファクタリング業者」の2者のみで契約を行います。クライアント(売掛先)に知られることがないので、経営状況などを悟られることなく資金調達が可能です。

3社間に比べて、手間が少なく、契約までの時間も短いため、最短で即日、通常は3日程度で、請求書を現金化することが可能です。

唯一、デメリットをあげるとすれば、3社間ファクタリングよりも、手数料が若干高いというところ。しかし、最近ではその差も、そこまで大きいものではなくなってきています。

2社間ファクタリング のメリット

  • 資金調達までの日数が短い。
  • 取引先に知られず利用できる。

2社間ファクタリングのデメリット

  • 3社間に比べて、手数料が高い。

申し込みから現金化までの流れ

  1. 見積もり(査定)
  2. 申し込み
  3. 審査
  4. 契約
  5. 資金調達

申し込みから現金化までのより具体的な流れはこちらの記事でご紹介しています。

3社間ファクタリング

3社間ファクタリングは、「自分」と「ファクタリング業者」に「クライアント」を加えた3者で契約を行ないます。

売掛金をファクタリング業者に譲渡することを、クライアントから承諾してもらう必要があるため、ファクタリングを利用することがクライアントに分かってしまいます。経営状況を不用意に憶測されてしまったり、説明を求められたりする点のデメリットはありますが、手数料が2社間ファクタリングより安く、審査も通りやすい傾向にあるため、状況に応じて使い分けると良いでしょう。

契約に関わる人が増えるため、資金を調達までの期間は、約2~3週間と、2社間よりは長めになります。

3社間ファクタリングのメリット

  • 手数料が安い

3社間ファクタリングのデメリット

  • 取引先に承諾と契約の必要がある。
  • 資金調達までの平均日数2週間~3週間程度かかる。

申し込みから現金化までの流れ

  1. 見積もり(査定)
  2. 申し込み
  3. 審査
  4. 取引先への説明と承諾
  5. 契約(利用者とファクタリング業者・ファクタリング業者と取引先)
  6. 現金化

2社間ファクタリングと3社間ファクタリングの違い

2社間ファクタリングと3社間ファクタリングの比較表です。こちらも併せてご覧ください。

2社間・3社間の比較表

2社間ファクタリング 3社間ファクタリング
資金調達日数 当日~3日程度 2週間~3週間程度
ファクタリング手数料 およそ5%~20% およそ1%~9%
取引先に通達される? 通知なし 通知あり
債権譲渡登記 必要な場合あり 必要なし
個人事業主の利用 一部業者で利用可能 利用可能

以前は、個人事業主がファクタリングを利用する際には、3社間ファクタリングのみで、2社間ファクタリングは利用できませんでした。

その理由は「2社間ファクタリングを利用する際には債権譲渡登記が必要」だったため。

債権譲渡登記とは、簡単に言うと「自分」が「ファクタリング会社」に請求書を買い取ってもらった場合、ファクタリング会社から自分のクライアント(売掛先)に対して、「ファクタリング会社が債権を持っていますよ」ということを通知することです。

この「債権譲渡登記」は、法人しか扱えないので、個人事業主は必然的に2社間ファクタリングを利用することができなかったのです。

しかし、ここ最近になり、債権譲渡登記がなくても取引に応じてくれるファクタリング業者が増えたため、個人事業主でも2社間ファクタリングを利用できるようになっています。

個人事業主の方で良質なファクタリング業者をお探しの方は、編集部が厳選したファクタリング業者10社の比較記事も参考にしてみてください。

騙されないための7つの注意点

ファクタリングは、融資などと比べ、利用するデメリットは「ほぼ」ありませんが、前述した通り、サービスが開始されてからの歴史が浅く、トラブルが起きた際の法的な検証や事例の充実度でいうと少し不安が残ります。

多くの業者は、誠実に事業を行なっていますが、法の抜け目を利用し、騙そうとしてくるファクタリング業者もゼロではありません。自分の身を守るという意味で、利用しようとしている業者が「善良なのか悪徳なのか」は、判断できるようになっておいた方が良いでしょう。この章では、ファクタリングを利用する際に、事前に知っておくと役立つ知識をお伝えします。

1.保証人や担保の必要がない。

ファクタリングを利用する際、保証人は必要ありません。もちろん、連帯保証人も必要ありません。

専門的な話をすると、保証人とは、債務者の代わりに債務の返済義務を負う人のことを指しますが、売上の一部である売掛債権(請求書)は、融資ではなく債務に該当しないため、契約の際に保証人を求められることがないのです。

もし万が一、クライアントが倒産しても、ファクタリング業者に請求書を譲渡した後であれば、利用者に請求がくることもありません。

担保に関しても「ファクタリングに保証人が必要ない理由」と同様に、融資ではなく、あくまで自社の請求書を譲渡するシステムなので、債務を返せない場合に備える担保は必要ないのです。

ファクタリング会社から「保証人」「担保」と言われた時点で「悪質業者」と断定していいので、そういった場合は、すぐに切り上げて別の業者を探しましょう。

2.消費税がかからない。

ファクタリングの手数料に、「消費税」はかかりません。

しかし、悪徳なファクタリング業者の場合、利用者がファクタリングについて知識が少ないとわかると消費税を上乗せして不当に利益を上げようとしてくる場合があります。ファクタリングを利用する際は、手数料の項目に消費税の項目が無いか、『税込』表記をしていないか、など事前の確認を十分に行ないましょう。

ちなみに、手数料に消費税がかからない理由は、ファクタリング取引が「請求書を譲渡する」という仕組みから、国税庁が定める非課税取引の『金銭債権などの譲渡』に該当するためです。

3.償還請求権がない。

償還請求権(=ノンリコース)とは、売掛債権が取引先から支払われなかった場合に、振出人(利用者)に代償の返還請求をする権利のことです。

つまり、「取引先が倒産して売掛金を払ってくれないから、あなたが代わりに払ってください。」という権利です。

償還請求権は、一般的には、裏書手形などの貸付の際に利用されます。しかし、ファクタリングは貸付ではなく、売掛債権の売買のため、償還請求権が発生することがありません。そのため、請求書の譲渡が終わった後に、取引先が倒産しても受け取っていたお金を返す必要がないのです。

償還請求権があるファクタリング契約は「貸付」とみなされます。この場合は違法行為とされ、悪徳業者が使う「偽装ファクタリング」と呼ばれています。償還請求権があるファクタリング業者とは取引しないように注意してください。

訪問依頼をするときは交通費の有無を確認する。

自分が住んでいる地域の周辺に良いファクタリング会社がなく、遠方のファクタリング業者を利用したいと考えている方もいると思います。そんな時に注意していただきたいのが「法外な出張費や交通費を請求されないか?」という点です。

一般的に、担当者に出向いてもらう場合、手数料とは別に「交通費」が発生します。(優良なファクタリング業者であれば、交通費を免除してくれたり、片道分を業者側で負担してくれたりする場合があります。)

しかし、悪徳業者な業者は「訪問時間が夜遅いので会社に戻れず、宿泊が必要になった。」などの理由をつけて、宿泊費や出張手当を利用者に負担させようとする場合があります。

遠方のファクタリング会社を利用する際には「出張費や交通費は別途かかるのか?」という点について、事前に確認しておくといいでしょう。

このような細かい確認が面倒な方は、ネットか郵送のみで完結する「面談不要タイプ」のファクタリング業者を利用することで、手間や費用を抑えることができます。

事務手数料の有無も確認が必要。

一般的に、「事務手数料」や「審査費用」はファクタリング手数料に含まれている業者が多いですが、ごくまれに事務手数料、書類作成費や審査費などと称して別途手数料を請求してくるファクタリング業者も存在します。この点には、注意しておいてください。優良なファクタリング業者のほとんどが、事務手数料や書類作成代を手数料に含んでいます。もし、費用が発生したとして、1万円以内が一般的です。

書類の最終確認は必須。

見積り時と契約時の額面を、わざと相違させている悪徳な業者もいます。契約書にサインしてしまえば「契約内容に同意した。」とみなされるので、契約時にはしっかりと書類に目を通してください。

手数料など費用を口頭で伝えるだけで見積書を出さず、当日の契約まで進める業者には十分注意しましょう。

上手い話には、要注意。

「一刻も早く現金が欲しい。」という相手の弱みにつけ込んで、手数料の引き上げてくる悪徳な業者もいます。相場よりも、手数料が高く設定されている場合でも最大20%が目安と考えてください(2社間ファクタリングの場合)。

同じ業者を再利用する場合は、手数料が安くなるケースがあります。そんな中で「初回だから信用がないので40%・・・2回目は5%になります」といったように余りにも「極端な数字」を初回価格として提示してくるファクタリング業者には要注意。契約当日になって手数料を引き上げを行なってくる業者にも、同様に注意してください。

利用する前にまずは無料査定(見積もり)を

ファクタリング契約をする前に必ずして欲しいことが「査定」です。なぜなら、ファクタリングの手数料については、法的な上限が設定されていないため、どのファクタリング業者を利用するかで手数料が異なる場合があります。損をしないためにも複数社で査定して、どの業者を利用するか比較検討することをオススメします。

査定だけであれば、事前に必要な書類は買取りを希望する「請求書」のみ。(請求額だけの把握でも大丈夫です。)電話なら数分、ネットなら数秒~数分程度で買取額を提示してくれます。

しかし、「申し込み」となると、身分証明書や通帳のコピーなど、いくつかの書類が必要となります。

いきなり申し込みを行なって、買い取りを断られたり、コストが見合わなくて断念した場合、一連の手続きが無駄となってしまいます。そういった無駄な時間を省くためにも、まずは査定から進めていきましょう。

ポイント

  • 買い取って欲しい請求書さえあれば査定が可能。
  • 手数料や査定額に不満があった場合の二度手間を回避できる。
  • 各業者の手数料や買取額を手軽に比較できる。

請求書から現金化までの流れについては以下で詳しく記載していますので、よろしければご覧ください。

まとめ 個人事業主向けファクタリングサービス

本記事では、個人事業主やフリーランスにおすすめの「ファクタリング」というサービスについてご紹介しました。

ポイントは、

  • ファクタリングを使うことで、請求書を早期に現金化することが可能(おすすめは、オンライン完結型の「OLTA」)
  • ファクタリングには、「2社間ファクタリング」と「3社間ファクタリング」の2種類がある
  • ファクタリングは法的な整理がまだ十分でないため、悪徳業者には十分注意する
  • すぐに申し込まずに、まずは「見積り」からはじめる

ファクタリング業者を比較検討される場合は、「【個人事業主向け】ファクタリング業者おすすめ10社を徹底比較」も参考にしてみてください。