個人事業主が使える創業補助金とは?メリットやデメリットもご紹介

創業するにはある程度まとまったお金が必要です。元手がない状態での創業は、展開できる事業の範囲が限定されてしまうからです。

では、創業時の資金を補助してくれる制度には、どのようなものがあるのでしょうか。

今回は、個人事業主やフリーランスの方が対象の「創業補助金」やその他の補助・助成制度をご紹介します。

この補助金を上手に活用すれば、創業時の資金調達がぐっと楽になるでしょう。

創業補助金とは?

創業補助金は毎年名称・要件が変わっており、毎年同要件で実施される補助金としての実態はありません。

創業補助金の正式名称は、平成29年度は「創業・事業承継補助金」、平成30年度は「地域創造的企業補助金」、令和元年度は「創業支援等事業者補助金」、令和2年度「地域・企業共生型ビジネス導入創業促進事業補助金」となっています。

また、平成29年度は経済産業省中小企業庁より交付決定を受けた株式会社電通が実施主体となっていましたが、平成30年度からはランドブレイン株式会社が実施主体となっています。

令和2年度の「地域・企業共生型ビジネス導入創業促進事業補助金」におけるQ&Aでも、各年度の補助金はすべて別の補助金という位置づけをされており、本来「創業補助金」一括りにすることは正確ではありませんが、便宜上この補助金名で説明します。

創業補助金の要件

創業補助金は、毎年度補助内容や補助対象者も変わっています。

平成30年度までは補助対象者に個人事業主、フリーランスが含まれていましたが、令和元年度、令和2年度は法人のみが対象となっています。

直近の令和2年度の創業補助金の事業目的は、企業が複数の地域に共通する地域・社会課題に取組むビジネスを補助し、「地域と企業の持続的共生」を促進することです。

具体的には、5市町村以上の地域の課題に対して、解決をするための実証内容、効果等を

提案し、実行する事が求められています。

補助対象者は、中小企業1社あるいは複数社で、同一の事業者が、別の実証地域で事業を実証する場合、別々に申請が可能です。

なお、令和2年度の創業補助金の申請期限は令和2年4月44日から令和2年5月20日まででした。

補助対象経費と補助率

令和2年の創業補助金においては、補助対象経費は人件費、事業費のみとなり、委託費は含まれませんので注意が必要です。

補助率は、企業の規模によって異なります。

みなし大企業を除く中小企業、一般社団法人、一般財団法人、特定非営利活動法人については、補助対象経費の2/3以内を補助されることになっており、補助の上限額は3,500万円、下限額は100万円となります。

みなし大企業の場合は、補助率は補助対象経費の1/2以内とされており、補助の上限額は3,500万円、下限額は100万円です。ただし、みなし大企業は中小企業等との連名申請が必要になります。

創業補助金の申請・審査手順

補助金は法律により申請・審査手順がある程度決められています。創業補助金は、要件や対象者は毎年度変更されていますが、申請・審査手順自体に大きな変更はありません。

01.事業計画書の提出

補助金は公募され、事業計画書などの必要書類を提出することで、申請することが可能です。

創業補助金の申請には、申請書・事業計画書のほかに、事業の収支計画書、決算書の提出が求められています。また、機械装置を導入する場合は、その理由書もあわせて提出することが求められています。

必要な書類は毎年公募要領にまとめられていますので、添付漏れがないように確認しておきましょう。

書類の提出はJグランツという電子申請システムか、郵送での申請になります。

02.書面審査

書類の提出が終わると、一定の基準に基づき審査が行われます。

令和2年度の審査基準は、広域性、有効性、継続性など要素が公募要領に示されており、これらの基準をもとに外部有識者等による採択審査委員会において可否が決定されます。

また、必要に応じてヒアリング等を行う場合も想定されていますので、担当者は準備が必要です。

03.審査結果の通知

審査が終わると、採択・不採択の場合ともに結果が通知されます。

Jグランツで申請した場合は、原則、jグランツで通知されることになります。

採択決定通知の送付後には、交付申請の意思確認が行われます。

04.報告書の提出

補助金の交付を受けた者は、原則として実績報告書の提出が求められています。

創業補助金の実績報告書は、事業が完了した日から起算して15日を経過した日までに提出することが求められています。

実績報告書の様式は交付規定に掲載されており、補助事業の収支決算などを記載する必要があります。

05.補助金の交付

補助金の交付は、実績報告書の提出が終わった後に行われます。

交付を受ける際には、精算払請求書を提出する必要があります。

また、必要と認められる場合に限り、概算による交付を受けることができます。

創業補助金のメリット・デメリット

創業補助金は、年度によって内容が異なりますが、創業時の資金調達や地域連携への補助など、使い勝手の良い補助金となっています。一方、創業補助金特有のデメリットも存在するため、申請には注意が必要です。

創業補助金を活用するメリット

創業補助金の内容は毎年度変わりますが、個人事業主やフリーランスを対象とした補助の場合、創業当初から資金調達を受けることができ、事業の安定性が増します。

また、平成30年度の創業補助金は、補助対象経費に人件費や材料費、設備費などの幅広い費用を補助対象としていたため、使い勝手の良い補助金だったと言えるでしょう。

創業補助金を活用するデメリット

創業補助金のデメリットとしては、毎年継続的に同内容で実施される補助金ではないため、計画が立てづらいという点が挙げられます。

上述のとおり、創業補助金が個人事業主・フリーランス向けに実施されたものとしては、平成30年度が最後であり、令和3年度以降実施される保証はありません。

補助金が採択される難易度の高さもデメリットのひとつです。一般的に補助金は助成金に比べて採択率が低いため、早期に確実な資金として見込むことは困難です。

また、補助金の性質上、実際の交付は事業の実施後となります。そのため、資金の元手としては役割を果たしません。

審査、実績報告等の事務手続きのなど、事務コストが増加することもデメリットと言えるでしょう。

創業時に利用できるそのほかの補助金・助成金

創業補助金は毎年度内容が変わるため、来年度補助対象になることができるかはわかりません。

毎年度継続して創業時の個人事業主・フリーランスを支援してくれる制度としては、次のようなものが存在します。

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金は、個人事業主(商工業者)を補助対象者に含んだ補助金です。

この補助金は、個人事業主等が日本商工会議所や全国商工会連合会の支援を受け、事業計画書提出することで交付を受けることができる制度です。

また、令和2年度の補正予算により、新型コロナウィルス感染症により影響を受けた方への補助が行われます。

令和2年度は5月1日から受付が開始され、最終の締切が令和2年10月2日までとされています。

IT導入補助金 特別枠(C類型)

ITツール導入に補助金を交付するもので、新型コロナウイルス感染症の対策のため、令和2年度は特別枠が設けられています。

補助率が2/3から3/4に引き上げられるなど、例年よりも補助を受けるメリットが高まりました。

補助対象としては、非対面型ビジネスモデルへの転換の取組や、テレワーク環境の整備などが含まれています。

特にフリーランスの方は働き方に合った内容となっているため、活用を検討してみると良いでしょう。

まとめ

これまで見てきたように、創業補助金は非常に内容の変更が激しく、毎年度継続性の見られる事業とは言えません。

しかし、公募時期やスケジュール感は毎年度大きな変動はないことから、来年以降もチェックしておくことをおすすめします。

また、創業補助金以外にも小規模事業者の創業をサポートしてくれる制度が存在します。

それぞれの要件や対象経費を確認しながら、ご自分の状況に合った制度を選択してみてください。