これもいいの?個人事業主が経費で落とせる意外なもの3項目

個人事業主になって初めての確定申告。「いったい何を経費にしていいのかわからない」と頭を抱えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回は経費判断のポイントと、個人事業主が経費で落とせる意外なもの3項目について解説していきます。

そもそも経費って何?

経費とは、「事業を行う上で必要な費用」のこと。事業とは、営利や生産を目的として行われる活動ー簡単に言ってしまうと「仕事」のことです。つまり経費とは、「仕事を行う上で必要な費用」となります。 

これは経費にしていいの?経費の判断基準

人件費や交通費など、事業のために支出した費用を経費と呼びます。例えば、商売を行う上で仕入れにかかった費用。これは経費です。売れた商品を輸送するためにかかった費用。これも経費です。そして商談の際にお客様にお出ししたお茶代。これも経費なのです。

こうしてみると、「何でも経費なるの?」と誤解してしまいがち。特に、事業と個人の境目が密接になる個人事業主の場合は「これは経費?これは?」と混乱してしまう方も多いはず。ここからは「経費になるものとならないもの」について詳しくみていきます。

「事業をやっていなくても支出したかどうか」を考える

「これは経費なの?」と悩んだ個人事業主の方、まずは「事業をやっていなくてもこのお金を払ったかどうか?」を考えてみてください。

「事業をやっていなければこのお金は払わなかったな」と思った支出があれば、それは経費となる可能性が高いです。またそれとは逆に、「事業をやっていてもいなくてもこのお金は払ったな」という支出は経費ではない可能性が高いです。「経費ではない」とは、生活費や趣味など私的な支出である可能性が高いということになります。

「社会通念上適切であるかどうか」を考える

経費かどうか迷ったとき、もう一つ考えるべきポイントはこちら。「社会通念上適切であるかどうか」です。

初めて見た方は「どういう意味?」と思いますよね。簡単に言ってしまうと、「常識的に考えて仕事に使ったと言えるかどうか」です。

例えば、仕事相手の接待で飲みに行ったとします。それ自体は経費になります。しかし、2次会でお気に入りのキャバクラに行ってシャンパンを大量に開けて大金を使った場合、これは経費にはなりません。

あなたの常識に照らし合わせて、キャバクラでお気に入りの女の子の点数を稼ぐことは仕事であると言えますか?「社会通念上適切である」ということは、「一般的にみて仕事であると判断できるかどうか」と言い換えることもできます。

経費かどうか判断するときにはこの観点を忘れずに「仕事に使った」としっかり説明できる支出かどうか、考えるようにしましょう。

個人事業主が経費で落とせる意外なもの3項目

ここからは、個人事業主が経費にすることができる意外なものを3つみていきます。

1.喫茶店で打ち合わせをした際のお茶代

喫茶店で取引先とお茶を飲みながら打ち合わせをする。個人事業主の方なら日常的に起こることですよね。この場合のコーヒー代は経費として計上することができます。

その理由は、喫茶店を「仕事場」として利用したと考えられるため。事務所の代わり、オフィスの代わりとして喫茶店を利用し、事業を行なった。そう考えられるため、社会通念上適切な費用であるとしてコーヒー代を経費にすることができます

自分の分のコーヒー代はもちろん、相手の分も負担した場合はそちらも経費に計上することができますよ。

2.ノマドワーカーのカフェ代

最近のカフェには、Wi-Fiや電源が完備されているところが多くあります。そのため、予定の合間や出先のカフェで仕事をする、というノマドワーカー的働き方をしている方も増えてきているのではないでしょうか。

カフェに入ると、何か注文をすることになります。その際支払ったお金は経費になるのでしょうか?正解は「なるものとならないものがある」です。

内訳を解説すると、カフェで支払うお金で経費として計上することができるのはコーヒーやジュース代などの飲み物代です。一方、経費として計上できないのはランチ代やおやつ代などの食べ物代です。

紅茶やコーヒーはカフェを利用するための利用料のような意味合いで考えることができます。しかし、ランチやおやつなどの食事代は生活費の一部としての意味合いの方が強いため、経費として計上することができません。

3.飲み物でもお酒はNG、食べ物でも取材ならOK

ここで2つ注意があります。まず1つ目は、飲み物代でもワインやビールといったお酒代は経費になりません。接待として取引先一緒にと飲むのなら話は別ですが、一人で仕事をする際、お酒を飲みながら働くことに妥当性がないからです。

続いて2つ目。一人のカフェでの食事の場合も、経費となることがあります。それは、食事自体が目的ではなく、仕事の付属として食事がある場合です。例えば、カメラマンが食べ物の写真撮影でカフェを訪れた場合。そのカフェの食事の撮影を仕事として依頼されているときには、被写体として使用した食べ物代は経費とすることができます。

また、ライターが食事の食レポを書くためにケーキを注文した時も同じ。食事自体をメインとして訪れたわけでなく仕事の一環としてその食事が必要だった場合には、その食事代は経費とすることができるのです。

その他、自宅の家賃も経費にできる

個人事業主の方、自宅で仕事をしているという人多いですよね。そんな方に朗報なのが、「自宅家賃も経費にすることができる」ということ。

自宅を事務所の代わりとして使っている場合、家賃は仕事に必要な経費であると考えることができます。しかし、家賃のすべてを経費とするのはNG。その理由はもちろん「仕事以外でも使用しているから」ですね。

「仕事でも使っている、でも日常生活でも使っている」、そんな場合は家賃の金額を按分して経費と私的支出の金額を分けることになります。

家賃按分の方法1:面積で按分する

簡単な按分方法は2つあります。1つ目は、家の面積のうち仕事として使用している面積分の家賃のみ経費とする方法。例えば、部屋が3部屋ある自宅で1部屋を仕事用として使用している場合、その部屋の面積分の家賃のみを費用に、残り2部屋分の面積分を私的な支出として経費外とすることができます。

この方法は、部屋が1部屋だけの場合でも利用可能です。しかし、仕事用とプライベート用できっちり部屋を分けていない方や、気分転換に私室とリビングを行ったり来たりしながら仕事をしているという方もいますよね。そういう方には、これから解説する2つ目の按分方法がおすすめです。

家賃按分の方法2:使用時間で按分する

2つ目の按分方法は、自宅を使用している時間の割合で按分する方法です。自宅で仕事を1日8時間している方は、家賃の3分の1を経費として按分することができます。

家賃按分をする場合、どちらの按分方法を選んでも間違いではありません。社会通念上、この額を家賃として計上することが妥当であると認められる根拠があれば、経費として計上することができるのです。そのため、どちらの方法を選んでも、他人が見て納得できるだけの明確な理由の上で按分するようにしましょう。

また逆を言ってしまえば、家賃を100%経費にしてしまうことは妥当性がないためNGです。「プライベートでも使用しているよね?」と言われてしまえば、それを覆すだけの妥当性がないためです。

まとめ

初めて個人で確定申告をする方にとって、「何が経費で何が経費でないのか」は頭を悩ませる問題です。

しかし、「事業をやっていなくても支出したかどうか」「社会通念上適切であるかどうか」という観点から領収書をみていると、経費とすべきものとそうでないものの区別が自然とつくようになってきます。

慣れるまでは大変ですが、一度覚えてしまえば一生ものの知識です。めげることなく、いろいろな支出を仕訳して早めに判断の感覚をつかむようにしましょう。