新型コロナウイルス感染症の影響で納税が猶予される要件について解説!

新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、収入が減り生活が苦しいと感じている方もいらっしゃるかと思います。

特に、個人事業主・フリーランスの場合は、終わりの見えない自粛や休業で先行きが不安な上に、足元での納税支払いについて負担に感じるのではないでしょうか。

今回の記事では、新型コロナウイルス感染症の影響を受けている方に、納税が猶予される要件などを紹介します。

納税が猶予される要件

そもそも、納税額は昨年度の収入(1月1日〜12月31日)によって決まります。そのため、昨年度は業績が良く稼げていたとしても、今年に入ってから新型コロナウイルス感染症の影響を受けて収入が減ってしまい納税が厳しくなる方もいらっしゃるでしょう。

国税庁によると、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、以下のような要件を満たす場合に原則1年以内であれば納税が猶予されるとのことです。

  • 国税を一時に納付することにより、事業の継続又は生活の維持を困難にするおそれがあると認められること。
  •  納税について誠実な意思を有すると認められること。
  •  猶予を受けようとする国税以外の国税の滞納がないこと。
  •  納付すべき国税の納期限(注1)から6か月以内に申請書が提出されていること

(注1)令和元年分の申告所得税、贈与税及び個人事業者の消費税の確定申告は、延長された期限 (令和2年4月 16 日)が納期限となります。(新型コロナウイルス感染症の影響により納期限が延長されました。)

(注2)既に滞納がある場合や滞納となってから6月を超える場合であっても、税務署長の職権による換価の猶予(国税徴収法第 151 条)が受けられる場合もあります。

本来、税金の納付が遅れた場合には「延滞税」を支払う必要があります。ただし、今回の措置では、要件を満たしていれば、納税の猶予だけではなく延滞税についても軽減されるそうです。

また、通常では税金の滞納が続くと私財を差押えられて、それを換価(私財の売却)して税金の支払に充てます。この差押えや換価についても猶予されます。

参考:国税庁|新型コロナウイルス感染症の影響により納税が困難な方には猶予制度があります

個別のケースでも対応してもらえる例とは?

上記の例以外でも、新型コロナウイルス感染症に関連することで被害を受けている場合は、納税の猶予について個別に対応してくれる場合もあります。

たとえば、本人や家族が新型コロナウイルス感染症を患い、医療費などに費用がかさみ支払いが難しくなったケース。その他にも、新型コロナウイルス感染症が発生した施設で、消毒や清掃などに費用がかかってしまったケースなどです。

このような個別のケースで納税が難しい場合は、所轄の税務署に直接相談することで早期に納税猶予ができるかどうかを審査してくれるそうです。それぞれのケースにより必要になる書類が異なるので、自分のケースではどのような資料が審査に必要になるかを電話にて相談してみてください。

猶予申告書への記載内容

納税の猶予を依頼する場合には「猶予申告書」を提出する必要があります。記載内容は以下の通りです。

  • 氏名・住所
  • 申請日
  • 納税すべき国税についての詳細
  • 納税ができない事情の説明
  • 猶予された税金の納付計画
  • 猶予期間
  • 担保の有無
  • 税理士情報(担当税理士がいる場合)

納税できない事情については、新型コロナウイルス感染症の影響により「昨年度の売上や利益からいくら(何%)落ちているか」など具体的に書くと審査が早く下りるそうです。

社会保険料にも同制度が適用される

個人事業主・フリーランスの場合、国民健康保険や国民年金についても保険料徴収の猶予制度があります。

国民健康保険を支払うことが厳しい場合は、各自治体へ申請することにより支払いを猶予・減免してもらえます。ただし、猶予や減免の手続きは各自治体により異なるのでそれぞれの窓口に問い合わせてみてください。

参考:厚生労働省|新型コロナウイルス感染症の影響により収入が減少した被保険者等に係る 国民健康保険料(税)の減免に対する財政支援について

国民年金についても収入の減少などで保険料を納付すが難しくなった場合に、保険料の免除や納付猶予を受けられる制度があります。こちらもお住まいの自治体へ申請する形となりますが、保険料の免除は全額免除から4分の3免除、半額、4分の1免除の4段階となります。

保険料の免除や納付猶予が認められた期間に関しては、年金の受給資格期間に算入することができます。(※)ただし、将来の年金額を計算するときは、免除期間は保険料を納めた時に比べて2分の1となるのでその点について理解する必要があります。

※年金受給するためには、保険料を納めた期間や加入者であった期間などの合計が一定年数以上必要となります。この年金を受けるために必要な期間を受給資格期間といいます。

参考:日本年金機構|【国民年金被保険者の方へ】新型コロナウイルスの感染症の影響により国民年金保険料の納付が困難となった場合の免除制度の活用について

公共料金などの支払が猶予されるケース

税金や社会保険料だけではなく、私たちが生活する上で不可欠な公共料金などについても支払が猶予されるケースもあります。

電気・ガス

電気・ガスは5月分までの料金の支払いをそれぞれ1カ月繰り延べることができます。(新型コロナウイルス感染症の影響による休業および失業により、各都道府県の社会福祉協議会から緊急貸付を受けている者が対象。支払の猶予を受けるためには特別措置適用の申し出が必要。)

水道・下水道

自治体によって異なりますが、たとえば東京都、横浜市は最大4カ月間支払いを猶予できます。一度お住まいの自治体の上下水道営業課へ連絡した後に猶予期間などを決定し、申請書を書いて申し込みします。

スマホ

スマートフォンなど携帯電話料金の支払いに関しても支払いを猶予してもらえます。大手3社(NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク)は5月末まで支払いの繰り延べ可能です。

生命保険

生命保険料の支払いや満期を迎えた保険の更新手続きに関しては各生命保険会社毎の対応となりますが、最長6カ月間の猶予を与えている会社が多いです。

損害保険

自動車保険や火災保険、傷害保険などの保険料支払いと契約更新手続きについて各保険会社ごとに支払猶予の対応を行なっています。

参考:日本経済新聞|新型コロナで支払い猶予 税・スマホ・公共料金など

まとめ

新型コロナウイルス感染症の影響を受け、所得が減ったり休業となった場合は、納税の猶予が1年間認められています。また、新型コロナウイルス感染症により医療費がかかったり、施設の消毒などにお金がかかったりした場合も個別に対応してもらえるようです。

納税の猶予を受けるためには「猶予申告書」を提出する必要があり、新型コロナウイルス感染症による影響を具体的な内容を記載した方が早期に審査をしてもらえます。

また、税金だけではなく社会保険料についても支払いが猶予されたり減免されたりします。生活する上ではかかせない公共料金についても理由があれば柔軟な対応をしてもらえるので、支払いができなくても焦らずに、まずは各窓口に相談してみてくださいね。