個人事業主が使える補助金まとめ!採択のコツ・注意点も解説

経済活動を活性化させるため、政府はさまざまな支援を行なっています。そのうちの1つ、返済不要の資金を支給する制度が「補助金」です。

開業して間もない事業主だけでなく、新しく事業に投資しようと考える事業主にとっても大きな助けになるでしょう。

この記事では、個人事業主なら知っておきたい「補助金の基礎知識」について解説します。

補助金とは

補助金とは、政府が企業や事業者に対して行う返済不要の資金のこと。国の政策に沿った事業に対して、その事業にかかる経費の一部が補助されます。

補助金はその名の通り、企業の活動で不足しているお金を「補助」するためのものであり、基本的に税金が財源となっています。補助金を受けたい場合は、「一定の公益性がある」「税金を使うに値する」事業を営んでいると審査に通りやすくなります。

補助金の多くは、募集期限が決められており、期日までに申請する必要があります。しかし、いざ補助金を申請しようとすると、やることが非常に多いのが実情。

補助金の利用を視野に入れている方は、いつでも補助金の申請ができるように、事業計画書などを日頃から作成しておく必要があります。

補助金と助成金の違いはなに?

「助成金」とは、主に雇用に関係する取り組みに対して支給される資金です。たとえば、アルバイトのスタッフを正社員にしたり、35才以下の求職者をトライアル雇用するなど、雇用の促進・維持に関わるものが対象となります。事業主は受給資格さえ満たしていれば、申請することができます。一方、補助金は審査があり、事業計画などにより採択されるかどうかが決定します。

また、助成金は従業員の雇用に関する経費について助成されるものが多いのに対し、補助金は各補助金によって使える経費の対象が異なります。

管轄している組織も、ほとんどの助成金は厚生労働省が管轄、ほとんどの補助金は経済産業省が管轄しています。

個人事業主でも補助金は受け取れるの?

結論からお伝えすると、個人事業主でも受け取ることができる補助金があります。繰り返しになりますが、補助金は返済不要の資金です。自社の目的に合う補助金があれば、前向きに補助金の活用を検討してみてはいかがでしょうか。

個人事業主が受け取れる補助金5つ

事業を立ち上げるときや事業を大きくしていくとき、必ずまとまった資金が必要になります。しかし、個人が生活をしながら事業用資金を貯めるのはたいへんなこと。資金不足を理由にビジネスチャンスを逃さないためにも、補助金の活用を検討してみてはいかがでしょうか。

ここからは、個人事業主が受け取れる補助金についてお伝えします。

1.創業補助金

「創業補助金」とは、新たな需要や雇用を創出することを促し、日本経済を活性化させることを目的とした補助金です。この創業補助金ですが、

  • 2017年度 創業・事業承継補助金
  • 2018年度 地域創造的起業補助金
  • 2019年度 創業支援等事業者補助金

と、年度ごとに名称が異なっています。そのため、過去の創業補助金をネットなどで検索すると混乱してしまうかもしれません。年度によって名称が変わる可能性をあたまの片隅におきながら、最新情報をキャッチするようにしてください。

2019年度の創業支援等事業者補助金の補助率は対象となる経費の2/3以内、50万円〜1,000万円の範囲でした。

また、2019年度の創業補助金の申請のステップは以下のように進められていました。

  1. 自分で創業計画を作成
  2. 産業競争力協力法に基づく認定市区町村に創業計画を提出
  3. 創業支援等事業者補助金へ申請する

申請期間は約1ヵ月間のことが多く、公募を見逃すと申請することができません。人気の補助金ですので、気になる方はサイトをこまめにチェックしておきましょう。

参照:中小企業庁「令和元年度予算「創業支援等事業者補助金」の公募を開始します

2.小規模事業者持続化補助金

「小規模事業者持続化補助金」とは、働き方改革などの国の制度変更に対応するため、商工会議所のサポートを受けながら経営計画を作成し、計画に沿って行なう事業に対して補助金を支給する制度です。地域の雇用や産業を支える小規模事業者等の生産性向上と、持続的発展を目的としています。

補助金額は原則、上限50万円で、補助対象経費の2/3以内と決められています。

参照:中小機構「令和元年度補正予算「小規模事業者持続的発展支援事業費補助金(小規模事業者持続化補助金事業)」の公募が開始されました

3.中小企業・小規模事業者海外展開戦略支援事業

「中小企業・小規模事業者海外展開戦略支援事業」とは、海外展開を目指す中小企業や個人事業主への事業計画の策定や、 Webコンテンツの作成を通じた商材・技術の魅力発信を支援してくれる制度です。補助金の名前の中に「中小企業・小規模事業者」とあるため、法人が対象かと思われるかもしれませんが、個人事業主ももちろん対象です。海外事業者との取引や提携を視野に入れているなら、チェックしておきましょう。

この事業は、国が中小機構ジェトロや民間団体などに委託して行なわれます。補助率や補助額は年度によって異なります。気になる方は、中小企業庁のホームページなどをこまめにチェックして公募がスタートするのを見逃さないようにしてくださいね。

参照:経済産業省「中小企業・小規模事業者海外展開戦略支援事業

4.IT導入補助金

IT導入補助金は、生産性向上のためのITツールやクラウドサービス導入に関わる費用を、経済産業省が補助する制度です。

補助対象経費はソフトウェア費、導入関連費で、補助率は対象経費の1/2以内、下限30万円〜上限450万円が補助金として支給されます。たとえば、経理にクラウド会計ソフトを導入する場合などに利用することができます。

IT導入補助金は交付決定前に発注・契約・支払いを行なった場合、補助金が交付されないため注意してください。

参照:IT導入補助金2020

5.ものづくり補助金

ものづくり補助金は、全国の中小企業・小規模事業者の生産性を向上させるために必要な設備投資に対して補助を行なう制度です。正式名称は「ものづくり・商業・サービス補助金」。補助率は対象となる経費の1/2以内で、上限は1,000万円と決まっています。

ものづくり補助金という名前から、製造業しか申請できないと思われることがありますが、実はサービス業や小売業などでも申請することが可能です。たとえば、ソフトウェア開発なども「ものづくり」に含まれます。

中小機構から公開されている資料によると、例年の採択倍率は2〜3倍となっており、とても人気の補助金です。

参照:中小機構「「ものづくり・商業・サービス補助金」がさらに使いやすくなりました

補助金に採択されやすくなる3つのポイント

補助金を受け取るためには、審査を通過しなければなりません。そのときに重要なポイントとなるのが、「事業の優位性・将来性・実現の可能性を事業計画に落とし込んでおくこと」です。また、補助金は申請できる期間が決まっているものが多く、期限内に必ず申請しなければなりません。

ここからは、どうすれば補助金が採択されやすくなるのか、具体的にお伝えします。

1.事業の優位性や将来性をアピールする

補助金では「事業計画書」がとても重要な審査ポイントです。事業計画書の中で、「事業に公益性があるか」「社会のどのようなニーズを満たすのか」「どれくらい将来性があるのか」といった点が審査されます。

応募する補助金の公募要領をしっかりと確認し、これに沿って自社のアピールを行なうようにしましょう。

2.わかりやすい文章で書く

補助金の申請書は、だれが見てもわかりやすく書くことが大切です。書類審査の担当者は、あなたの業界の専門用語や業界用語がわかりません。どうしても専門用語を使う必要がある場合は、脚注や別添の資料をつけておくと伝わりやすくなります。

また、担当者に具体的なサービスや商品を理解してもらうため、図・表・写真などがあると、よりイメージしやすくなるでしょう。

3.なるべく1次公募で申請する

補助金には1次公募・2次公募と分かれているものがありますが、人気の補助金は1次公募で予算の上限に達し、終了してしまう場合があります。

審査の内容は前年と同じということも多いため、気になる補助金がある場合は事前に前年の内容を確認し、公募前から書類の作成など準備をしておくようにしましょう。

補助金を利用するときの注意点

ここからは、補助金を利用するときに気をつけたいポイントについて解説します。

資金は後払いのため急な資金繰りには向いていない

ほとんどの補助金では、資金は後払いになっています。たとえば合計で300万円の事業支出のうち、1/3の補助が受けられる場合、まずは事業主が300万円を支出する必要があるのです。数ヶ月後、1/3の金額にあたる100万円が、企業に振り込まれるという仕組みです。

そのため、事業計画で立案した資金を、まずは事業主が準備する必要があります。このように後から補助金が振り込まれるため、補助金は急な資金調達には向いていないといえるでしょう。

事業の途中で調査が入ることがある

補助金が支給されると、その後、会計検査院の会計検査が入ることがあります。会計検査は補助金を受け取ったすべての事業主が受けるわけではなく、対象の事業主がランダムに選ばれ、実地調査が行なわれます。

会計検査は税務調査のようなもので、補助金が適正な会計処理が行なわれているかどうかなどを検査されます。日頃から証憑類を整理し、のちのち質問されそうな経費については経緯や理由を記録しておくなど、しっかり書類の管理をしておくと安心です。

不完全な事務処理では採択されない

ある事業期間が終了後、期日までに報告書や経費の証憑類を提出する必要があります。これらが不完全だと、補助金が支払われないことも。繰り返しになりますが、書類の管理はしっかりと行なうようにしましょう。

まとめ

個人事業主であっても、ビジネスを継続していくためには、新しく事業に投資していく必要があります。生産性を向上させたり、新しい商品・サービスを開発するためには、まとまった費用がかかるものです。そんなとき、目的にあった補助金をうまく活用できれば、あなたのビジネスを大きく成長させることができるでしょう。

気になる補助金がある場合は、管轄する組織のホームページをこまめにチェックし、公募情報を見逃さないようにしてくださいね。

注意:補助金は条件などが変わることがあります。実際に利用する際には、各補助金を管轄している組織のホームページをご確認ください。