この記事では、請求書を現金化し、資金を調達するまでの流れや、その際に必要な書類などをわかりやすく解説していきます。
いざ、申し込みをしたら「書類が足りなかった…。」「電話で確認しないと詳細がわからない…。」なんてことにならないように、契約までに必要なステップと気をつけたいポイントをまとめました。
これから、ファクタリングを活用して請求書の現金化を行いたいと考えている方はぜひ参考にしてみて下さい。
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申し込みをする前に準備すること
何事も事前準備が大切です。ファクタリングで現金化をスムーズに進めるために、あらかじめ準備しておきたいポイントを確認していきましょう。
書類の準備
まず、最初にやっておきたいことは「書類の準備」です。各ファクタリング業者によって必要な書類は若干異なりますが、ほとんどのファクタリング業者で必要となるのが下記3つの書類。
事前に準備しておくべき3つの書類
- 買取り希望の請求書
- 通帳のコピー(3か月~7カ月が一般的)
- 身分証明書のコピー(免許証・パスポート・顔写真のあるマイナンバーカードなど)
上記3点は、よく必要とされる書類なので、事前に準備しておくとよいでしょう。まれに「昨年度の決算書」の提出を求める業者もあるため、余力のある方はこちらも用意しておくと、なお良しです。
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見積り(買取査定)
書類の準備ができたら、次は見積りをしましょう。
最初に見積りをすることで「後々、買取りができないとファクタリング会社に言われた。」「予想以上に手数料が高くて困ってしまった。」などの理由で、再度、別の業者を探したり、申込手続きをし直したりする手間を防ぐことができます。
おすすめの見積もり方法は?
電話・FAX・メール・オンラインなど様々な方法で見積もりを依頼することができますが、その中でも、特にオススメなのは、「オンライン」での見積りです。
ほとんどのファクタリング業者の公式ホームページには「無料診断」や「自動診断」がついており、「売掛金の金額」や「利用回数」などを入力するだけで、おおよその買取り金額がすぐにわかります。
他の方法で確認するよりも早くて簡単な上に、短期間に複数社に見積もりを依頼しやすい点で「手数料が安く、より条件がいい業者を選定できる」というメリットもあります。
契約方法と申し込みから現金化するまでの流れ
無料診断(オンラインでの見積もり)が終わったら、次は「申込み」をして実際の買取金額を確認します。
申し込みには、「オンライン契約」「郵送契約」「対面契約」の3つの方法があります。それぞれの特徴を下記にまとめていますので、自分が一番信用でき、使いやすいと感じる方法を選択するとよいでしょう。
1.オンライン完結型(クラウドファクタリング)
今、最も注目されている方法が、このオンライン完結型ファクタリングです。クラウドファクタリングとも呼ばれています。
申し込みから審査、契約までの全てをオンライン上で行なうことができ、面談も不要なため、交通費や郵送料など手数料以外に発生するコストを大幅に抑えることができます。
オンライン完結型ファクタリングの流れ
1.申し込み(会員登録)
- 必要書類を申し込みページにてアップロードします
- (請求書や通帳のコピー、本人確認書類等)
2.審査
- 請求書の買取りの可否、手数料を判定してくれます
- 審査結果は30分~24時間以内が一般的です
3.契約
- 買取額や手数料に問題がなければ、オンライン上にて契約の手続きを行ないます。ハンコは必要ありません
4.入金
- 契約完了後、即日で指定の銀行口座に現金が振り込まれます
※時間帯によって、当日振り込みか翌日振り込みか異なります。
2.郵送契約型
郵送契約は、その名の通り書類を郵送して契約する方法です。郵送契約という名前にもかかわらず「初回は面談必須、2回目〜郵送完結可能」とされているケースも多くあり、注意が必要です。
オンライン契約型と比べて面談や郵送の時間や手間がかかるという点で、すぐに資金がほしい人には向いていませんが、最初は担当者の顔を見て安心したいという人にはオススメです。
※ 例外として、下記のようなケースでは、初回時でも郵送契約が可能な場合があります。各業者に確認してみましょう。
- 売掛金が数万円~50万円ほどで、対面するための交通費や出張費が高くついてしまう場合
- 売掛先が大企業で、売掛金の回収に問題がない場合
郵送契約型ファクタリングの流れ
1.申し込み連絡(見積もり)
- 電話か、メールにて申し込み希望の連絡をします
- この時点で仮査定をしてくれますので、おおよその手数料がわかります
2.書類郵送(申し込み~審査)
- 指定された書類を郵送、本審査
- 書類を郵送する前に、先に業者から申し込み用紙が送られてくる場合もあります
3.審査結果
- 審査終了後に審査結果を電話(もしくはメール)にて通知。審査が通り、手数料などの内容了承した場合には、契約書類が郵送されてきます
4.契約書類郵送
- 送られてきた契約書類を確認して、書類に捺印、署名をしてファクタリング業者に返送する
5.入金
- ファクタリング業者は返送された契約書類を確認し、利用者の銀行口座に現金が振り込まれます
※面談は③や④の後に行うことが多いようです。面談が無い場合には上記の流れのまま。
3.対面契約型(来店)
ファクタリングの一般的な契約方法です。ファクタリング業者へ出向くか、担当者に訪問してもらって契約を進めます。WEBでの操作が苦手だったり、顔が見えるお付き合いを重視される方は、こちらがオススメです。
交通費は、基本的に契約者負担になるため、訪問してもらう場合は予め確認しておきましょう。訪問距離の近さや、取引額の大きさによっては免除してくれる場合もあります。
対面契約型ファクタリングの流れ
1.申し込み(電話・メール)
- 電話、もしくはメールにて申し込みをします
- この時点で仮査定をしてくれますので、おおよその手数料がわかります。
2.審査(面談)
- 申し込みの際に提出を求められた必要書類を持って店舗に出向き、ヒアリングを受けながら審査の可否や条件が提示されます
- 業者によっては面談の前に書類を郵送やFAXして審査するケースもあります
3.契約(面談)
- 審査に通過すれば契約手続きに進みます
4.入金
- 契約完了後、銀行に現金が入金されます
申込みから資金調達までにかかる費用は?
申し込みから資金調達までにかかる費用についても確認しておきましょう。
- 手数料
- 書類の郵送費(郵送契約を利用した場合)
- 交通費(店舗に出向く、もしくは訪問してもらった場合)
- 事務手数料(手数料に含まれない場合)
一般的に、契約にかかる費用は上記のみです。上記項目以外の費用が必要だと言われたり、値段が明らかに高いといった場合は注意が必要です。高額な「事務手数料」「書類作成費用」「審査のための調査費用」「出張手当」などを請求してくる場合は、悪徳業者の可能性があります。
ファクタリングにかかる費用の例
売掛金50万円として、ファクタリングにかかる費用を計算してみました。
手数料(3%~20%) | 15,000~100,000円 |
交通費(新幹線代・高速代・タクシー代など)※1 | 0円~30,000円程度(距離や移動手段で変わる) |
郵送費(郵送料・切手・封筒代など)※2 | 84円~1,000円程度(郵送回数で変わる) |
事務手数料(書類作成代・印紙代など) | 0円~9,200円程度 |
※1 面談契約の場合
※2 郵送契約の場合
上記の通り、契約体系によって必要な費用に差があります。また、手数料や交通費などもファクタリング業者によって違いがあるので、実際に利用する際は、利用予定のファクタリング業者の公式HPで情報を集めたり、ファクタリング業者に直接電話して確認するなどして、対応すると良いでしょう。
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契約時の3つの注意点
ここまで進めば、資金調達も目の前です。しかし、最後の最後で思わぬ落とし穴が待っていることがあります。担当者の言葉を鵜呑みにせず、最後まで自分の目で確認して契約するようにしましょう。
とくに、以下の3つは押さえておいて欲しいポイントです。
1.契約書にサインする前に、最終的な手数料や費用を確認する
口頭の説明では聞いていない「なぞの費用」が記載されていることが、ごくまれにあります。契約の際には、料金の最終確認はしっかりと行なうようにしてください。どんな些細な疑問でも、必ず質問して、説明を求めるようにしましょう。(自分の身は自分で守るしかありません。)
2.契約書の控えを必ずもらう
契約した後に、内容に不備があったり、言いがかりをつけられたりした場合に、言った言わなかったの水掛け論になることを避けるためにも、契約書の控えは必ずもらうようにしてください。
3.空欄のある契約書には、サインしない
まれに「日付が空欄になっている」「手数料が記載されていない」契約書を提示されることがあります。契約日をごまかされたり、話に聞いていない手数料を記載されたりする可能性があるため、空白のある書類にはサインしてはいけません。記入漏れの場合は問題ありませんが、「急がないと今日の入金時間に間に合いません。あとで入力しておきますから。」なんて言われたら要注意。悪徳業者の常套手段です。
ファクタリング契約に関する詳しい注意点については、「請求書をすぐに現金化!フリーランスも使える「ファクタリング」とは?」にて説明しています。
まとめ
この記事では、請求書を現金化するまでの流れを解説しました。
ポイントは、
- ファクタリングの契約方法にはオンライン、郵送、面談の3種類がある
- すぐに資金が欲しい人には、オンラインでの契約がおすすめ
- ファクタリングの申込前には、見積り・査定を複数社に依頼すべき
- そのうえで、手数料や費用の面で納得のいく業者を選ぶ
- 契約書は、穴が開くほど目を通す
- 口頭で聞いた内容と、契約書の書面に相違がないか確認する
- 空白のある契約書にはサインしない
とくに最後の3つ、契約書に関することは注意が必要です。
ファクタリングは、まだ法律が十分に整備されていないこともあり、悪徳な業者が存在するのも事実です。知識不足で損をしないためにも、本記事を参考に、正しい知識を得て、優良なファクタリング業者選びをしましょう。
もし、ファクタリング業者をどこにするか迷っている方は、こちらの記事を参考にしてみてください。