消費税の疑問をすっきり解決!売上高1,000万円以下の個人事業主向け

「クライアントから受け取った消費税どうしよう?」「私(個人事業主)は消費税を納めなくていいの?」と消費税に関して疑問を抱えたまま仕事をしてる個人事業主の方、多いのではないでしょうか。

今回はそんな個人事業主の方が消費税について抱きやすい疑問についてみていきます。

消費税とは?今一度おさらいをしよう!

消費税とは、物の売買やサービスの提供に課税される税金のこと。収入額に応じて納める所得税や企業が納める法人税といった直接税とは違って、商品やサービスを提供した事業者が納める間接税になります。

商品やサービスを消費した人(消費者)が税金を払い、商品やサービスを提供した人(事業者)が一時的に消費者から税金を預かり、国に納める。このように、直接国に納税するのではなく間接的に納税をすることから間接税と言われています。

消費税は物やサービスといった「何かを消費すること」に対して課税される税金です。(対象となるものによって、非課税・不課税となるものもあります)国内で何かを購入する・サービスの提供を受けるといった行為、及び輸入したものを「消費する」行為対しても課税されます。

海外で購入したものを使用していない状態で日本に持ち帰る場合、手続きをすれば免税となることがあります。香水や化粧品、お酒などで体験したことがある方は多いのではないでしょうか。これは、その国で商品を「消費」しないことから消費税がかからない仕組みとなっているのです。

消費税の計算方法

消費者にとっての消費税の計算方法はいたってシンプルです。商品・サービスの金額に10%(国税7.8%・地方税 2.2%)をかけるだけ。

では、実際に国へ納税を行う事業者はどうなるのでしょうか。事業者が消費税を納税する場合には、2つの計算方法があります。

1.原則課税方式

納税額=売上等に係る消費税額 − 仕入れ等に係る消費税額

簡単に言ってしまえば、商品・サービスを提供した(売上)際に消費者から預かった消費税の合算額から、商品・サービスの提供を受けた(仕入)際に支払った消費税の合算額を引いた額が納税額となります。

自分が預かった消費税額と、支払った消費税額を相殺して、差額を支払う(または還付される)と考えるとわかりやすでしょう。

2.簡易課税方式

納税額=売上に係る消費税額 × みなし仕入率

みなし仕入率とは、業種によって決められた一定割合のこと。原則課税方式との違いは、仕入で支払った消費税額を把握していなくてもいいところです。仕入で支払った消費税額に変わって、みなし仕入率を使うことで消費税額の計算を簡易にしているのです。

みなし仕入率は業種によって異なっています。

みなし仕入率
第一種事業(卸売業)90%
第二種事業(小売業)80%
第三種事業(製造業等) 70%
第四種事業(その他の事業)60%
第五種事業(サービス業等)50%
第六種事業(不動産業) 40%

複数の事業を行っている場合はまた計算方法が変わってきます。その際は国税庁のサイトを参照するようにしてください。

参考:No.6351納付税額の計算のしかた|国税庁 / No.6505簡易課税制度|国税庁

個人事業主でも消費税を納めなければいけないことがある?

さて、ここまで消費税についてみてきました。原則課税方式やみなし仕入れ率など、馴染みのない言葉が出てきて辟易(へきえき)してしまった方もいるのではないでしょうか。そして「個人事業主である自分には難しいことは関係ない」そう思ってはいないでしょうか?

実は、個人事業主でも消費税を国に納めなければならない対象者(課税事業者)になることがあるのです。

課税事業者とは

まず初めに課税事業者についてです。課税事業者とは、消費税を納める必要のある事業者(法人/個人事業主など)のこと。

例えば、あなたがコンビニでチョコレートを買ったとします。そうするとコンビニに110円(税込)支払うことになります。この消費税10円をあなたから受け取り、税務署に納める義務のある事業者(この場合はコンビニ)が課税事業者です。ライターやクリエイターなどの仕事に例えると、クライアントが課税事業者となりますね。

免税事業者とは

一方免税事業者とは、消費税の納税を免除されている事業者(法人/個人事業主など)のこと。

消費税を納税する必要のある課税事業者になるには、この次に紹介する基準を越える必要があります。それを越えていない個人事業主の方は、全員免税事業者となります。

課税事業者と免税事業者の違い

課税事業者と免税事業者との大きな違いは、消費税を納める必要があるかないかということです。課税事業者に該当する方は、消費税を国に納める義務があります。

その基準はこちらになります。

  • 基準期間の課税売上高が1,000万円以上
  • 特定期間における課税売上高が1,000万円以上

基準期間とは法人であれば会社の「期」のことを表します。個人事業主の方はほとんどの場合、1月1日~12月31日の1年間となります。

2つ目の基準である特定期間とは、個人の場合1月1日~6月30日を指します。しかし、そもそも売上が1年間で1,000万円に満たない方には関係がありませんので、1,000万円を越えるまでは2つ目については気にしなくて問題ありません。

ひとまず個人事業主の方は「1年間の課税売上高が1,000万円に近づいてきたら、課税事業者に該当するかどうか詳細に確認する必要がある」と覚えておくとよいでしょう。

参考:No.6501納税義務の免除|国税庁

課税事業者になると損?実はそうとは限りません!

「課税事業者になると、消費税を納めなければならない分自分が使えるお金が減ってしまうのではないか?」と考える方もいらっしゃるかと思います。しかし、一概にそうとも言えないのです。

上でご説明した原則課税方式。こちらを使って消費税額を計算した場合、納めるのではなく逆に税金が還付される場合があります。

原則課税方式:納税額=売上等に係る消費税額 − 仕入れ等に係る消費税額

原則課税方式の計算式はこのようになっていましたね。税金が還付される場合とは、仕入れ等に係る消費税額が売上等に係る消費税額より多かったときに起こり得ます。

売上等に係る消費税額100 − 仕入れ等に係る消費税額110=-10(還付額)

簡単に説明するとこのような仕組みです。売上として預かった消費税額より、仕入れた時に支払った消費税額の方が大きければ、還付の対象となるのです。

仕入にかかる消費税は、課税売上高が1,000万円に満たない個人事業主の方もみんな払っていらっしゃいますよね。それが、課税事業者になることで売上にかかる消費税額と相殺でき、また還付される場合もある。そのため、課税事業者になることが一概に損であるとは言えないのです。

免税事業者が取引をするとき消費税はどうすればいい?

ライターやクリエイターなど個人事業主の方であれば、毎月末にクライアントへ請求書を発行していますよね。そしてその内訳を「作業費〇〇円、消費税〇〇円」として発行していませんか?

「そういえばクライアントから受け取った消費税を税務署に納めた記憶がない・・・でも自分は免税事業者だし・・・消費税を受け取ってはいけなかったのでは・・・」と頭を悩ませている方、いらっしゃるのではないでしょうか。

ここからは、免税事業主である個人事業主が商売で消費税を扱うケースについて解説していきます。

誰かから支払いを受けるとき(請求)

みなさんが一番気になるであろう、誰かからお金を受け取る場合です。この場合、請求書に消費税を入れるかどうかはあなた次第。法律で「どちらにしなければならない」とは明記されていません。

そのため、相手に請求をしてもしなくても、法律上は問題がありません。つまり、上の例の場合もそのまま受け取ってしまって問題がないのです。

ただし、相手の会社の会計処理上、消費税の表記に関してオーダーがあった場合はそれに合わせて対応するようにしましょう。

誰かに支払いをするとき(支払)

こちらの場合は、相手からの請求通りに支払って下さい。あなたには相手の商品/サービスを消費したことに対する消費税の支払い義務があります。

まとめ

個人事業主が課税事業者になるには課税売上高が1,000万円以上必要です。そのため、課税売上が1,000万円に近づくまでは消費税に関して心配する必要はありません。安心して事業を拡大していきましょう。

初めて課税対象者となった個人事業主の方は、国税庁から無料で提供されている「消費税のあらまし」を一読されることをおすすめします。(国税庁ホームページからダウンロード可能)

消費税についての概要がわかりやすくまとめられており、毎年更新されるので最新情報も取得できます。本屋で難しい本を買うより断然おススメですよ。