個人事業主・フリーランス必見!国民健康保険完全ガイド

日本は「国民皆保険制度」のため必ず健康保険に入らなければなりません。会社員から個人事業主・フリーランスになった場合、ほとんどの人が国民健康保険に加入します。

会社員時代は、会社が代理で健康保険加入や支払いの手続きを行っていましたが、個人事業主は自分で全ての手続きを行なう必要があります。

この記事では、国民健康保険に関する基礎知識をくわしくお伝えします。

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監修者
■監修者:ファイナンシャルプランナー 金子賢司
東証一部上場企業で10年間勤務。現在は、ファイナンシャルプランナーとして活動し、個人・法人のお金に関する相談、北海道のテレビ番組のコメンテーター、毎年約100件のセミナー講師を務める。

国民健康保険とは

日本に住んでいる人なら誰もが加入しなければならない健康保険。冒頭でもお伝えした通り、個人事業主のほとんどは国民健康保険に加入します。

国民健康保険に加入していると会社員時代の健康保険と同様、病気やけがなどの際に、医療費の自己負担が軽減されます。

個人事業主にも健康保険に加入する義務がある

会社員の場合は健康保険の加入から保険料の支払いまで全て会社が手続きを行なっています。一方、個人事業主になると加入から保険料の支払いまで自分で対応しなければなりません。

日本では国民皆保険制度があり、日本国民であれば健康保険に加入する義務があります。そのため、会社の健康保険から脱退した人は国民健康保険に加入する必要があります。
また、会社員時代は健康保険料の半分を会社が負担していましたが、個人事業主になると自分で全額支払う必要があります。そのため初めは国民健康保険料の高さに驚く人もいるでしょう。

国民健康保険の仕組み

国民健康保険とは、会社員でいう健康保険のこと。加入者が病気やけがで生じる経済的負担を分かち合うため、普段から保険料を出し合っておきます。これに国や都道府県、市町村が税などを拠出して医療費を負担する制度です。

加入手続きは居住地域の役所で行うことができます。会社を退職したら速やかに加入するようにしましょう。

保険料の決まり方

国民健康保険の料率は前年度の年収によって決まります。前年度まで会社員をしていて個人事業主になり、国民健康保険の納付書を受け取った時、まだ個人事業主になってからの売上が軌道に乗っておらず保険料の支払いに苦しんだという話をよく耳にします。

国民健康保険は各自治体が運営しているため、料率は居住地域によって異なります。保険料率を知りたい場合は役所に連絡をするか、ホームページで調べることができます。

保険料の支払い方法

個人事業主になると保険料に関しては、自分で支払いの手続きをする必要があります。

保険料の支払い方法は、以下の3つ。

  • 納付書で支払う
  • 口座振替
  • クレジットカードで支払う

納付書で支払う

国民健康保険に加入すると郵送されてくる納付書で支払いをする方法です。納付書に書かれている期日までに支払いを済ませる必要がありますが、期日前であれば「いつ支払っても」問題ありません。コンビニでも支払いができます。

口座振替

口座振替で、保険加入時に口座振替の手続きをしていれば、自動的に保険料が引き落とされます。個人事業主になると毎日忙しく、つい支払いを忘れてしまったということも起こりかねません。

また、保険料の支払いが遅れると遅延金が発生する自治体もあります。納付を忘れないためにも納付書が届いたらすぐに全額支払うか、口座振替の手続きを済ませておくと良いでしょう。

クレジットカードで支払う

手持ちのクレジットカードで支払う方法です。「Yahoo!公金支払い」や「モバイルレジ」を使って国民保険料の納付ができます。ただし、クレジットカード払い非対応の自治体もあるので注意が必要です。

国民健康保険の加入手続き

会社を退職した場合、退職日の翌日から数えて14日以内に居住地域の役所で国民健康保険加入手続きをする必要があります。

また、同じく役所で国民年金の加入手続きもできますので一緒に手続きを済ませておくと良いでしょう。

加入時に必要なもの

国民健康保険の加入には以下のものが必要です。不安な場合は事前に役所に問い合わせをすれば必要なものを教えてくれます。

  • 本人確認書類(運転免許証、パスポートなど)
  • マイナンバーカード
  • 健康保険資格喪失証明書(会社や保険組合が発行するもの)
  • 印鑑
  • キャッシュカードまたは通帳、銀行届出印(口座振替を希望する場合に必要)

任意継続という選択肢もある

会社勤めをしていた人は会社で加入していた健康保険に退職後2年間まで加入できる「任意継続」という方法もあります。退職しているため保険料は全額自己負担ですが、加入していた健康保険の料率や扶養家族の人数によっては任意継続の方が保険料が安い場合があります。

ちなみに多くの方が加入している協会けんぽでの任意継続は、資格喪失日(退職日)から20日以内に申請する必要があります。可能であれば退職する前に任意継続か国民健康保険のどちらに加入するか保険料を比べて決めておきましょう。

保険料が安くなる?国民健康保険組合という選択肢

国民健康保険からは少し話がそれますが、個人事業主が加入できる健康保険は国民健康保険だけではありません。職種によっては国民健康保険組合に加入するという選択肢もあります。

年収によって国民健康保険組合に加入した方が保険料が安い場合もあるため、金額・補償内容などをしっかりと比較ましょう。

文芸美術国民健康保険組合

ライター・デザイナー・作家などの個人事業主が加入できる文芸美術国民健康保険組合。文芸・美術などの仕事に従事している方が対象です。詳しくはホームページをご確認ください。

保険料は、収入に関係なく組合員1人あたり19,900円/月で一律です。家族は1人10,600円/月で加入することができます。支払い方法は口座振替のみ、6回・4回・2回・一括払いが選べます。

ただし、文芸美術国民健康保険組合に加入するには条件を満たす必要があるため、事前に自分が対象になるかどうかを確認しておきましょう。
参考:文芸美術国民健康保険組合公式ページトップ|文芸美術国民健康保険組合

東京美容国民健康保険組合

東京美容国民健康保険は、以下の条件を満たす方が加入できる国民健康保険組合です。

東京都内の事業所において、美容の業務に従事し、東京都(島しょを除く)、 神奈川県、千葉県、埼玉県、茨城県、及び山梨県の区域に居住している人を 組合員とし、(注)その世帯に属する同一世帯家族を被保険者とする。

引用元:美容の「国民健康保険組合」に加入できる人|東京美容国民保険組合

保険料は年度・年齢などによって異なります。詳しくはホームページをご確認ください。

参考:東京美容国民健康保険組合公式ページトップ|東京美容国民健康保険組合

国民健康保険は確定申告時に控除ができる

確定申告の際、国民健康保険料を控除できます。社会保険料控除として、所得金額からその年の1月1日〜12月31日の間に支払った国民健康保険料を全額差し引くことができます。

なお、国民健康保険は控除証明書のような書類は発行されません。「その年にいくら納付したのか」を自分で把握・計算して確定申告をする必要があります。

国民健康保険料は、まとまった大きな金額になります。もし、確定申告で控除しない場合は、所得税や住民税を必要以上に支払うことになります。節税の観点からも、国民健康保険料の控除を忘れないようにしましょう。

関連記事:フリーランスの節税対策6選!経費や控除を利用すれば税金が安くなる

まとめ

本記事では国民健康保険に関する基本的な内容をまとめました。

会社員時代と違い、国民健康保険の加入手続き・支払い・確定申告など慣れない作業を自分で行うことになるため、戸惑うこともあるでしょう。しかし万が一の病気やけがに対しての最低限の備えとして、国民健康保険に加入をしておくことは、身体が資本の個人事業主・フリーランスにとって非常に大切なことです。

会社の健康保険から脱退したら、速やかに国民健康保険などの手続きを行うようにしてくださいね。