ファクタリングって?今さら聞けないファクタリングの意味や仕組み

個人事業主やフリーランスで自分で事業をしている人ならば、資金繰りに悩み資金調達を考えることもあるでしょう。そんな時に「ファクタリング」という資金調達方法を検討する機会があるかもしれません。しかし、実はファクタリングの意味や仕組みを理解していないことから、利用を渋ってしまうということもあるでしょう。

ファクタリングは融資に比べるとスピーディーに資金調達ができて、利用を検討をしないのはもったいないです。また、資金調達だけではなく、確実な売掛金の回収方法として利用できる場合もあります。ファクタリングがどのような仕組みかを改めて確認してみましょう。

ファクタリングという言葉の意味

ファクタリングは英語でFactoringと書きます。この言葉を形成する”factor”という言葉は動詞で「因数分解する」などの意味を持ちますが、「(債権を)売却する」という意味も持っているのです。この動詞に”-ing”をつけることで動名詞となり、「(債権を)売却すること」という意味になります。

ファクタリングの歴史

ファクタリングの歴史は古く、15世紀に売掛金の保証をするサービスという形で始まったと言われています。19世紀末からは、ファクタリング会社に売掛金を買い取ってもらうことで期日前に現金化できる方法がアメリカで普及し始めました。現在でも中小企業の資金繰り方法として、欧米では一般的に利用されています。

一方、日本におけるファクタリングの歴史は浅く、1970年代に入ってきたばかりです。日本では手形取引が主流であったため、資金不足の時には「手形割引」や「裏書譲渡」をすれば良かったため、普及は遅れました。

しかし、バブル崩壊後に手形取引が減少したことをきっかけに、手形を利用した資金調達ができなくなってしまったのです。その結果、売掛金を現金化する方法としてファクタリングが注目されるようになりました。

ファクタリングの仕組み

一口にファクタリングと言っても、種類はさまざまです。それぞれの仕組みについて紹介します。

一括ファクタリング

一括ファクタリングは、売掛金を期日より前にファクタリング会社へ手数料を支払うことにより買い取ってもらう資金調達方法です。実務的には、売却する売掛金から手数料を差し引いた額が自分の口座に入金されます。

たとえば、4月中の取引で発生した100万円分の売掛金が5月末に決済されるとします。しかし、5月頭に資金繰りが悪化してファクタリングを依頼することにしました。この時の手数料が5万円の場合、95万円が審査が下り次第ファクタリング会社から契約者の口座に入金されるイメージです。実際に5月末に売掛金が決済される時には、売掛先からファクタリング会社へ支払われます。

ファクタリング会社に買い取ってもらった売掛金については、万が一売掛先が経営破綻するなどして売掛金の決済ができなくなったとしても、契約者は弁済などをする必要がありません。

また、一括ファクタリングは、売掛先にもファクタリングの契約を「してもらう」か「しないか」により資金調達の流れが変わります。

2社間ファクタリング

2社間ファクタリングは、売掛金を売却したい契約者とファクタリング会社の2社間で契約を結びます。売掛先に同意を得る必要がないので、審査次第では即日に資金調達が可能になる場合もあるようです。

2社間ファクタリングでは、売掛金の決済時に一度契約者の口座に入金されたものをファクタリング会社に支払います。そのため、ファクタリング会社としては契約者に決済時に入金となる売掛金を持ち逃げをされるリスクがあるのです。そのようなリスクを加味して、手数料は後に紹介する3社間ファクタリングに比べると高い傾向です。

また、2社間ファクタリングでは「債権譲渡登記」という手続きが必要になります。これは、ファクタリング会社が既に他のファクタリング会社などへ売却された売掛金を買い取ってしまい、売掛金の決済時に「代金を回収できない」という事態を防ぐためです。

3社間ファクタリング

3社間ファクタリングは、売掛金を売却したい契約者・ファクタリング会社・売掛先の3社で契約を行います。契約は売掛先の同意を得てからとなり、売掛先にも契約書類などを記入してもらう必要があるので3社間ファクタリングに比べると資金調達までのスピードは遅くなります。

ただし、2社間ファクタリングとは異なり、売掛金の決済時には売掛先からファクタリング会社へ直接入金されます。そのため、ファクタリング会社としては売掛金回収リスクは減るので、2社間ファクタリングに比べると手数料は安く設定されることが多いです。

診療報酬ファクタリング

日本の制度として、医療費の7割は国の負担です。この国負担7割の部分について、医療機関は社会保険診療報酬支払基金や国民健康保険団体連合会へ医療報酬の明細書をもとに請求することで国負担分を回収できます。この請求から実際の入金までには2〜3か月を要するので、資金繰りが苦しい場合には「診療報酬債権」をファクタリング会社に買い取ってもらうというファクタリング方法があるのです。

また、診療報酬だけではなく、「介護報酬」や「調剤報酬」でも利用できます。債務者は「国」となるので非常に優良な債権です。そのため、診療報酬ファクタリングは審査も早く、手数料も低い傾向にあります。

保証ファクタリング

保証ファクタリングとは、売掛金をファクタリング会社に買い取ってもらう仕組みではありません。万が一売掛金が回収できない場合に手数料を支払うことで売掛金の回収を保証してもらう仕組みです。売掛先の信用力に不安があり、倒産して債務不履行(売掛金を踏み倒される)となる可能性がある場合に保険として利用します。

債権が回収不能となった場合には、ファクタリング会社があらかじめ決めてあった限度内で保証金を契約者へ支払います。たとえば、100万円の売掛金で保証ファクタリングを10万円の手数料(保証料)を支払って利用します。保証の限度額は80%でした。この場合、売掛金の支払い不能となった場合に80万円の入金が保証されます。手数料の10万円は売掛先が支払いができてもできなくても支払うことになります。

売掛金の入金見込みで商売を回している場合に、売掛金が入金されなければ、連鎖倒産を引き起こす可能性があります。特に大きな金額の売掛金に頼っている場合はその入金がないとその入金頼みの支払いができなくなり危険なのです。保証料がかかってしまいますが、このようなリスクを避けるために利用の検討をしてみてはいかがでしょうか。

国際ファクタリング

国際取引で海外の取引先から売掛金がきちんと回収できるかは非常に心配な点と言えるのではないでしょうか。商品を送ったのに代金が振り込まれないということがあったとしたら、日本国内の取引より言葉の壁や物理的な距離などで回収は難しいでしょう。

そんな時には国際ファクタリングを利用すると安心です。国際ファクタリングは、売掛金をきちんと回収するための仕組みで、売掛金の100%がファクタリング会社に保証してもらえます。

国際ファクタリングは、契約者(輸出者)・海外の売掛先(海外輸入者)・日本のファクタリング会社・海外のファクタリング会社の4社間で契約を結びます。利用する流れは以下の通りです。

  1. 契約者が日本のファクタリング会社に海外の売掛先の信用調査を依頼する
  2. 日本のファクタリング会社が海外売掛先の所在国のファクタリング会社に信用調査を依頼する
  3. 信用調査の結果を日本のファクタリング会社を通して契約者に連絡をする
  4. 契約者は海外の売掛先にファクタリングを利用する旨を通知する
  5. 輸出船積書類を海外の売掛先へ送付し、日本のファクタリング会社にもその写しを送付する
  6. 海外の売掛先は、売掛金の支払日に海外ファクタリング会社宛に支払いをおこなう
  7. 海外ファクタリング会社は代金を日本の指定銀行に送金、その後輸出者に代金が支払われる

従来の国際取引では、信用状( letter of credit)という銀行が発行する支払い確約書を利用していました。しかし、この信用状を利用した取引は書類などの作成が面倒で手間がかかります。しかし、国際ファクタリングを利用することにより、信用状を用意する必要がなくなり、煩雑な事務を回避できます。

ただし、国際ファクタリングを取り扱うのはメガバンク系のファクタリング会社に限られます。そのため、取り扱い額が少ないと利用できない・コストがかかりすぎるという場合もあるでしょう。

まとめ

一口にファクタリングと言っても、売掛金の「買取型」と「保証型」に分かれており、「買取型」は資金調達として、「保証型」は確実な売掛金の回収方法として利用されています。

資金調達としては一括ファクタリングなどを利用しますが、融資に比べると簡単な審査でスピーディーな資金化に期待ができます。

売掛金の「確実な回収」は経営基盤が盤石ではない中小企業や個人事業主にとっては非常に大切です。売掛先の信用力が不安という場合には保証ファクタリングを利用すれば、連鎖倒産しないよう対策ができます。

このようにファクタリングには便利な利用方法があります。資金調達に悩んだり、売掛金の回収に不安があったりする場合には利用の検討してみてはいかがでしょうでしょうか。