給与ファクタリングは違法?ファクタリング会社の見極め方

給与ファクタリングとは、労働者がファクタリング会社に手数料を支払うことにより給与を買取ってもらい、労働者が給与を受け取った日にファクタリング会社に支払う仕組みです。

たとえば、A社で働く会社員Bが20万円の給与をファクタリング会社Cに給与を買取ってもらうというようなかたちです。ファクタリング会社Cは実際の給与の支払日前に20万円から手数料を差し引いた分を会社員Bの口座へ振込ます。そして企業Aから給与の支払があったら会社員Bはファクタリング会社へ給与分の支払を行います。

ただし、給与ファクタリングは違法であり、利用してはいけないといわれています。給与ファクタリングが違法である理由やファクタリング会社の見極め方について紹介します。

給与ファクタリングを利用してはいけない理由

個人(会社員)で資金繰りが悪化している労働者が給与ファクタリングを利用する例が増えましたが、警視庁のホームページ上でも給与ファクタリングの利用を「絶対にしないでください」と強い口調で記載されています。

参考:警視庁
https://www.keishicho.metro.tokyo.jp/smph/kurashi/higai/yamikin/kyuyofakuta.html

裁判で貸金業と判決を受けた

令和2年3月に給与ファクタリングは「貸金業」であるという判決を受けました。

ファクタリング会社が給与7万円を4万円で買取り、4日後に支払う契約で買戻し日の設定がなされていましたが、債務者が支払いを怠ったことにより、ファクタリング会社が譲渡人に対し金銭の支払いを求める訴訟を提起しました。

しかし、東京地方裁判所は給与ファクタリングは、実態としては給与を担保に貸付を行っているという判決を言い渡し、契約は無効、刑事罰に対象になると言い渡しました。

通常のファクタリングはファクタリング会社が債権を買取ることによる売買契約なので手数料の規制などはありませんが、貸金業と判断される場合は貸金業者としての登録が必要ですし、利息の規定が適用されます

そのためこのような判決が出たこともあり、貸金業の登録をしていないファクタリング会社が給与ファクタリングサービスを提供するのは違法なのです。

参考:一般社団法人 日本ファクタリング業協会
http://www.j-factoring.or.jp/15851843641621

法外な利息

通常のファクタリングは貸金業でないため、それ以上の手数料を請求しても違法ではありません。しかし、上述の通り給与ファクタリングは貸金業と判断されたので利息の制限対象になり、貸付金額によって年利15%~20%が上限となります。そのため「ファクタリング」という名前を使い、法外な利息を徴収する悪徳な業者は違法なのです。

上述の事例では、7万円の債権を4万円で買取り、4日後に買い戻すという契約になっていました。この場合年850%の法外な利息です。このように法外な利息を要求する業者を利用するのは避けるべきといえます。

大声での恫喝や強引な取立て

給与ファクタリングを利用すると手数料を支払うことにより、給料日には実際に支払う給与より少ない金額しか手元に残りません。

ファクタリングを利用している間に資金繰り対策などを行い、資金繰りに余裕を持たせることができれば良いですが、できなかった場合には給与として入金された資金をファクタリング会社へ支払えなくなるケースもあります。

このような場合に、給与ファクタリング会社から大声で恫喝や嫌がらせを受けることも実際に多いです。もし恫喝や嫌がらせを受けたら警察や弁護士に相談するべきですが、そもそも給与ファクタリングは「違法」という認識を持ち、安易に利用しないようにしましょう

個人情報の漏洩

給与ファクタリング業者はきちんと社内の体制が整っていないこともあり、個人情報が漏洩するリスクもあります。そのため、個人で融資を受けたい場合などには、会社の体制が整っていて、個人情報の取り扱いについてホームページ上に記載がある企業を選ぶと安心です。

すべてのファクタリングが違法という訳ではない

貸金業登録を行っていない、法外の利息を徴収する給与ファクタリングは違法ですが、すべてのファクタリングが違法という訳ではありません

商取引などで発生する売掛債権を買い取るファクタリングは違法ではないのです。

ファクタリングは日本ではあまり利用されていませんでしたが、欧州での歴史は長く中小企業の資金調達方法として浸透しています。日本では手形取引が盛んだった経緯もあり、手形割引や裏書などを使って資金繰り対策をしていましたが、手形取引が減少した現代では、ファクタリングは新しい資金調達方法として注目されており、経済産業省も利用を推進しています

ただし、三菱UFJファクターやみずほファクターといったメガバンク系のファクタリング会社がある一方で、実態が分かりにくい悪徳業者も混在します。貸金業のような規制がないので、自分自身で信頼できるファクタリング会社を見極める必要があるのです。

ファクタリング会社の見極め方

ここでは、企業・個人事業主・ファクタリング会社などが事業で発生する売掛債権を買い取ってもらうファクタリングを利用することを前提に説明します。

事業で発生する売掛債権を買取ってもらうファクタリングは売買契約となるので貸金業の利息上限の規制は関係なく手数料の設定を自由にできます。一般的には3社間ファクタリングの手数料は売掛債権の1~20%、2社間ファクタリングは20~30%といわれています。

最近話題の個人事業主などでも利用できるクラウドファクタリングは2社間ファクタリングでも1桁台で利用できるようになっています。そのため、この水準より高すぎる場合には注意してください。何社か見比べてから契約をしても良いでしょう。

また、ある程度の事業規模で知名度のあるファクタリング会社を利用したほうが無難といえそうです。このようなファクタリング会社は、企業イメージを落とさないためにもコンプライアンスに則った対応をしてくれるでしょう。

ホームページに住所の記載が無い場合なども注意しましょう。しっかりした運営をしているファクタリング会社であれば問題なく住所の記載ができるはずです。住所の記載がないと問題が起きたときに隠れられてしまう可能性もあるので注意したいところです。

契約書がきちんと作成され、その内容が正しく記載されているかも気を付けたいポイントです。何か問題が起きたときには契約書の内容がすべてになりますので、特に手数料などお金に関する表記がきちんとされているかは確認しましょう。確認を怠ったが故に、口頭で話していたものと全く違う手数料を請求されるということもあり得るからです。

まとめ

給与ファクタリングは違法という判決となったので、貸金業登録をしていなかったり、法外な利息を要求される場合には絶対に利用しないようにしましょう。

また、商売で発生した売掛債権のファクタリングは違法ではありませんが、規制が無いので利用する際にはご自身で信頼できる会社かを見極める必要があります。

ファクタリング会社を利用するときは、以下の点を見極めるようにすると安心です。

  • 手数料が水準より高すぎない
  • ある程度の知名度がある
  • 住所の記載がある
  • 契約書の内容をきちんと確認する

これらのことに注意してた上で上手く資金調達のために活用してくださいね。