業務委託トラブルを回避するには?気をつけるべき6つのポイントを徹底解説

フリーランスとして働くとき、多くの場合はクライアントと業務委託契約を結びます。会社員とは違い、フリーランスの場合はこの契約の中身を自分で責任を持ってチェックする必要があります。しかも、うっかり不利な契約を交わしてしまった場合には、自分で何とかするしかありません。

この記事では、業務委託のトラブルを事前に回避するにはどうすればいいのか、くわしくお伝えします。また、フリーランスを受託者、クライアントを委託者と記載しています。

そもそも業務委託って?定義をおさらいしよう

業務委託とは、雇用関係を結んでいない企業から特定の業務を委託されることを指します。業務委託という言葉はビジネスシーンでよく耳にしますが、実は法律に業務委託という言葉はありません。

一般的に「業務委託を結んだ」という企業とフリーランスの間には「請負契約」か「委任契約」が結ばれています。業務委託の多くの場合、成果物を納品することで委託元の企業から報酬が支払われますが、これは請負契約にあてはまります。一方、委任契約とは業務の遂行を目的としています。たとえ成果がでなくとも、業務が行われていれば報酬が発生するのです。

具体例をあげてお伝えすると、請負契約はホームページのデザイン制作やシステムの構築などがあてはまります。納期までに、成果物を納品することで報酬を受け取れるのです。委任契約では、社員研修などが該当します。この場合、依頼された研修プログラムを提供しますが、研修を受けた社員が成果をあげるかどうかまでは関与しません。

ちなみに委任契約では「受託者に手を抜かれるのでは?」など不安に感じるかもしれません。しかし、委任契約は受託側に「善管注意義務」というものが義務付けられていて、業務遂行にあたってはしっかりと行わなければならないことになっています。

業務委託トラブルを回避する!契約書のチェックポイント6つ

業務委託を受託する場合、契約書を交わすことが多くあります。この契約書の中に、思わぬトラブルにつながる落とし穴が潜んでいることも。

事前にトラブルを回避するためにも、契約書のチェックポイントを理解しておきましょう。

1.業務内容が明確になっているか

業務委託契約書の中で、まずは自分が行なう業務が明確になっているか確認しましょう。明確になっているかの基準は、「その内容について誰が読んでも理解できるようになっているか?」がポイントです。業務内容があいまいな場合、委託者と受託者の間で成果物の完成度の基準が異なり、最悪の場合報酬の受け取りが遅れたり支払ってもらえないということも。

少しでも業務内容に不明な点がある場合は、しっかりと委託者へ確認し、契約書の文言を修正してもらうようにしましょう。

2.支払いについての取り決め

支払いについてのチェックポイントは以下の4つです。

  • 報酬が受け取れるタイミング
  • 締め日と支払日
  • 消費税
  • 振込手数料

契約書を交わす段階で、報酬が受け取れるタイミングは「成果物を納品した時点」や「委託側のチェックが完了した時点」など、どの時点を指すのかを確認します。また、締め日と支払日についてもしっかりと確認しましょう。報酬に対して消費税は込みなのか、振込手数料はどちらが負担するのかも、細かいことですが事前に確認しておくことで、後々のお金に関するトラブルを回避することができます。

3.業務委託契約書の有効期限

業務委託を受けるときの契約書の有効期限も重要なチェックポイントです。継続的にサービスを提供する場合、たとえば3ヶ月を契約書の有効期限とし、その後は委託側もしくは受託側どちらかからの申し出がない限り契約が自動更新されていく契約もあります。

どのくらいの期間契約が続くのか確認するようにしましょう。

4.守秘義務について

受託した案件の守秘義務については、必ずといっていいほど契約書の内容に入っています。

フリーランスの場合は、自分の仕事の実績としてこれまで行なった仕事をポートフォリオにまとめることもあるでしょう。しかし、守秘義務の内容によってはポートフォリオへの掲載もNGの場合もあります。契約を結ぶ前に、守秘義務の範囲はどこまでかを確認しておくようにしましょう。

5.トラブル対応の期間と責任の範囲

万が一、損害が起こってしまった場合のための項目です。受託側は責任の範囲・期間・金額の制限は必ず記載するようにしましょう。あらかじめ契約書に記載しておくことで、実際にトラブルが起こった際に、無制限に損害賠償請求されることを防ぐことができます。

また、成果物を納品したあと、何らかの隠れた瑕疵がみつかることがあります。このように後から不具合が見つかった場合に、誰が対応するのか、責任が発生する期間はいつまでかを確認しておくようにしましょう。

6.契約終了後の成果物の責任の範囲

契約終了後に瑕疵がみつかった場合の責任はいつまで発生するかや、契約終了後もいつまで守秘義務を守るといった記載が契約書に記載されている場合があります。

業務委託でトラブルになりやすいケース2つ

ここまでは契約書の中身の基本的なチェックポイントについてお伝えしました。ここからは、さらに一歩踏み込んで、トラブルになりやすいケースをみていきましょう。

実際の業務委託契約が交わされるシーンでは、フリーランス側に法律の知識が少なく、不利な契約を結んでしまっていることも少なくありません。トラブルになりやすいケースを知っておくことで、不利な契約を回避することができます。

ちなみにすでに契約を結んでしまっていても、法律に違反する契約内容の場合は、契約そのものを無効にできるケースもあります。1人で理不尽な契約内容を抱え込まず、困ったときは専門家に相談するようにしましょう。

ケース1.偽装請負契約になっている

請負とは、企業や個人が業務の一部もしくは全部を外部に委託した業務を行なうこと指します。これだけだと派遣とあまり違いがありません。さらに具体的に請負の中身お伝えすると、大きく分けて2つの特徴があります。

まず1つ目は業務を行なった成果を提供して、報酬が得られるという点です。たとえばシステム開発であれば、契約したシステムを納品することで報酬が支払われます。2つ目は請負の場合、業務を行なう場所や時間、使う道具などは委託側に指揮権はないという点です。業務を行なった成果を納品するのが請負契約のため、業務の進め方は問われないのです。

しかし、業務委託契約の中には委託側から、勤務時間や場所を指定されることがあります。委託側の指揮下で業務を行なうのにも関わらず、成果で報酬を支払うケースは偽装請負契約になっている可能性があるので注意が必要です。

ケース2.二重派遣になっている

業務委託の二重派遣の前に、派遣社員の二重派遣問題についてお伝えします。二重派遣とは、企業に派遣されている派遣社員を、派遣先の企業がさらに別の企業へ派遣することを指します。この二重派遣は法律で禁止されている行為です。実際に業務を行なう派遣社員に給料が支払われるまでの間に、膨大な中間マージンが搾取されているという問題も度々起こっています。

話を業務委託に戻すと、派遣労働者ではないフリーランスであっても、業務委託を請け負った企業から別の企業に行くように指示があり、契約関係にない企業の業務を行なうよう求められる場合があります。このような場合は二重派遣に該当する場合があるため、注意が必要です。

まとめ:業務委託の知識を身につけてトラブルを回避しよう

業務委託契約は、慣れるまでむずかしく感じるかもしれません。分からないからといって、よく契約書を読まずに契約してしまっては思わぬトラブルに巻き込まれることも。しかし、トラブルになりそうなポイントがあらかじめ分かっていれば、万が一自分の身にトラブルが起こりそうになっても、早い段階で回避することができます。

業務委託契約は多くのフリーランスが経験します。事前に正しい知識を身につけておくことで、余計なトラブルに巻き込まれる確率がグッと下がるでしょう。