個人向け給与ファクタリングの仕組みを解説!メリットやデメリットとは?

「給与ファクタリング」と呼ばれるサービスを聞いたことはありますか?テレビやニュースで耳にしたことがある方もいるかもしれません。

しかし、具体的にどのようなサービスかと言われると、よくわからない方もいるのではないでしょうか?

  • 給与ファクタリングとキャッシングの違いがよくわからない
  • 給与ファクタリングって、違法ではないの?
  • 給与ファクタリングを利用する時の注意点は?

本記事を読めば、給与ファクタリングの仕組み、メリットやデメリット、利用する時の注意点などがわかります。

時間がない方は、見出しを読むだけでも理解できるので、ぜひ読んでみてください。

給与ファクタリングとは個人の給料債権を買い取ってもらう方法

給与ファクタリングとは、個人の給与を債権として買い取ってもらうことで資金を調達する方法のこと。

こんなことを聞くと、

  • 会社に無断で給与の債権を買い取ってもらうのは違法では?
  • 「貸金業の登録」をしていないのだから違法では?

と思われる方もいるかもしれません。

しかし、給与ファクタリングを行う業者は、あなたにお金を貸すわけではありません。あくまでもあなたの「給与債権」を買い取るだけです。


給与ファクタリング消費者金融
お金の入手方法給料債権を買取るお金を貸す
貸金業法の登録不要必要
審査の対象あなたに給料を支払っている勤務先あなたの年収や信用情報
利息制限法適用外適用される年利20%を超える金利は違法

そのため、給与ファクタリング業者に貸金業の登録義務はなく、給与ファクタリングの行為を取り締まる法律がないため、2020年3月中旬時点では完全に違法ではありません。

給与ファクタリングを個人が利用するメリットとは?

給与ファクタリングを個人が利用するメリットは、以下の3つです。

  1. 即日でお金が手に入る
  2. 審査が不安な人や「ブラック」の人でも利用可能
  3. だれにもバレずにお金が手に入る
  4. 土曜日や祝日に対応しているファクタリング業者もある

順番に解説します。

1.即日でお金が手に入る

給与ファクタリングは、「即日での買取」も可能です。そのため、

  • 給料日までの生活費が足りない
  • 急に友人の結婚式が入ってお金が足りない
  • 病気などで入院費用が必要になった

など、急にお金が必要になった場合も、申込後すぐに入金してもらえます。

実際にファクタリングを利用する場合は、以下の手順で利用します。

  1. 公式サイトの問い合わせフォームや電話などで申し込み
  2. ファクタリング業者から電話があり、受付
  3. 必要書類を写メール・PDF・FAXなどで送信
  4. 審査結果が届く
  5. 契約手続き
  6. 入金

具体的な手数料については、審査結果が届いた時点でわかります。なお、各ファクタリング業者の審査時間は概ね1時間以内です。

ファクタリング業者最短での審査時間
七福神30分
大吉30分
ENZO15分

ただし、即日での入金について、平日の15時までしか対応していない業者もあります。

また、近年ファクタリング業者の認知度は上がっており、申込者が多い場合、即日での対応ができるとは限りません。

参考:七福神 / 大吉 / ENZO 

2.審査が不安な人やブラックの人でも利用可能

給与ファクタリングは、お金を借りるわけではないため、「年収が低く審査が不安」な場合や「ブラック」の場合でも利用できます。

審査もありますが、審査対象はあなた自身のことではなく、個人に給料を支払っている会社です。そのため、個人信用情報機関への問い合わせがないため、あなたがブラックでも買取をしてもらえます。

また、ファクタリング業者を利用した履歴は「個人信用情報機関」には登録されません。したがって、車や住宅のローン審査にも影響しないのでご安心ください。

審査のポイントをまとめると以下の3つです。

  1. あなたは毎月勤務先で働いており、給料をもらっているか?
  2. 勤務先が倒産をして給料が支払われないリスクはないか?
  3. 他のファクタリング業者にすでに買取をされていない債権かどうか?

なお、給料債権の「二重譲渡」は違法行為です。二重譲渡がバレると、詐欺行為で訴えられてしまう可能性があります。

3.だれにもバレずにお金が手に入る

給与ファクタリングには2つあります。

給与ファクタリングの種類ファクタリングの手続き
3社間給与ファクタリング個人・勤務先・ファクタリング業者の3社間で行われる
2社間給与ファクタリング個人とファクタリング業者のみ

2社間給与ファクタリングなら会社と提携していないため、会社や同僚にバレることがありません。契約書類が自宅に来ることもないので、両親や配偶者にバレることがなく、安心です。

勤務先への「在籍確認」はありますが、在籍確認が嫌な場合は、社内用のメールや名刺などで代用できる会社もあります。

ただし、事前の連絡なく、給料日などに入金をしなければ、自宅や勤務先に電話が掛かってくる可能性があります。入金が遅れそうな時は、必ず事前に連絡しましょう。

参考:キュリック

4.土曜日や祝日に対応しているファクタリング業者もある

ファクタリング業者のなかには、土曜日や祝日も対応しているファクタリング業者が多くあります。

ファクタリング業者営業時間土曜祝日の入金
七福神平日9:00〜19:00(祝日も営業)土日は休業
ENZO平日9:00〜19:00(祝日も営業)土曜日9:00〜18:00日曜日は休業×
毎日給料日くん平日9:00~18:00(祝日も営業)土曜 9:00~18:00日曜日は休業
ファク太郎平日9:00~18:00(祝日も営業)土曜 9:00~18:00日曜日は休業×☓

さらに、申込みだけでなく、振り込みも行ってくれる業者もあります。もし、土曜日や祝日に利用したい場合は、土曜祝日での振り込みに対応している業者を利用しましょう。

参考:七福神 / ENZO / 毎日給料日くん / ファク太郎

給与ファクタリングのデメリット

給与ファクタリングは便利なサービスですが、デメリットもあります。主なデメリットは以下の2つです。

  1. 手数料が高いファクタリング業者もある
  2. ファクタリングを利用しすぎると、消費者金融よりも損

順番に説明します。

1.手数料が高いファクタリング業者もある

ファクタリング業者の「手数料」は20%〜30%が一般的。

多くのファクタリング業者は10%前後の手数料から利用できますが、あくまでも勤務先の評価が高い場合に適用される手数料です。

ファクタリング業者手数料
七福神10%〜20%
ENZO8%〜25%
大吉10%〜
ファク太郎10%〜
PayPAT8%〜30%

ただ、ファクタリング業者のなかには、40%近い手数料が掛かる業者もあります。そのような業者は、経済的負担も大きくなるので、避けてください。

また、買取手数料だけでなく、「振込手数料」や「事務手数料」が掛かるので、他の買取業者と比べて、明らかに高くないか注意する必要があります。

参考:七福神 / ENZO / 毎日給料日くん / ファク太郎 / PayPAT / PayPAT(ペイパット)を直接取材!給料ファクタリングの口コミ評判や会社情報を徹底調査!

2.給与ファクタリングを利用しすぎると、消費者金融よりも損

給与ファクタリングを利用しすぎると、消費者金融の利息を超える手数料を支払うこともあるので、注意が必要です。

通常、消費者金融やカードローンで「キャッシング」をした場合、「利息制限法」により、年利は20%まで(10万円未満)と制限されています。

ところが、ファクタリング業者は、貸金業法への登録義務がないため、利息制限法が適用されません。そのため、毎月のように利用していると、手数料だけで、かなりの金額を支払うことになります。

例えば、15万円を30%の手数料で、毎月借り続けた場合、30%☓12ヶ月で360%の金利を払うことになります。

資金調達方法1年間に支払う金額
消費者金融15万円☓18%=27,000円 
給与ファクタリング15万円☓30%☓12ヶ月=54万円

一方、消費者金融で15万円を借りた場合に掛かる金利の上限は18%です。

最終的に支払う金額は、消費者金融が27,000円、給与ファクタリングは54万円も掛かります。

このように、ファクタリングは便利な資金調達方法ですが、使い方を間違えると、消費者金融よりも多くのお金を支払うことになります。

ファクタリング業者を選ぶ時のポイント

ファクタリング業者を利用する時は、トラブルに巻き込まれないためにも、注意して選ぶ必要があります。

ファクタリング業者を選ぶ時のポイントは以下の通りです。

  1. きちんとした企業が運営しているか
  2. 個人の口コミなど評判はどうか?
  3. 手数料は高すぎないか?債権の買取上限はいくらまでか?
  4. 入金のスピードは早いか?

1.きちんとした企業が運営しているか

ファクタリング業者を選ぶ時は、

  • きちんとした会社なのか
  • 「反社会勢力とのつながり」がないか
  • 対応に問題がないか

などがあります。

ファクタリング業者のホームページを見ると、「運営会社」「住所」「代表者」などが載っているはずです。

もし、仮にホームページにそのような記載がなければ、闇金の可能性があります。

また、電話番号や代表者の名前で検索をして、「過去に何らかのトラブルが起きていないか」チェックすることも大事です。

何もトラブルなどの情報がなければ、ある程度は安心して利用できます。

2.個人の口コミなど評判はどうか?

ネット上で個人が書いている口コミは、信憑性に欠けるものも多いですが、「買取手数料」「業者の対応」「怪しいことをされなかったか」などさまざまな情報を知ることができます。

あまりにも、悪い評判が多いファクタリング業者は、利用せず、悪い評判が少ない業者を利用するべきです。

3.手数料や買い取れる債権の上限

ファクタリング業者の多くは「手数料」や「買い取れる債権の上限」などを細かく明示していません。

そのため、他の業者と比較して、明らかに高い手数料を取られないか調べる必要があります。

特に40%以上の手数料が掛かる業者は要注意です。また手数料を二重で請求してくる業者もあるので、契約条件などは必ずしっかりと目を通しておきましょう。

4.入金されるまでの時間が早いか

すぐにお金がなければ困る場合は、「申し込んでから入金されるまでの時間が早いのか」も重要です。

即日での入金に対応しているファクタリング業者でも、即日対応ができる時間が限られていることがあります。即日対応の情報は公式サイトに記載されていることが多いので、事前に隅々まで確認しておきましょう。

また土曜日や祝日も対応しているファクタリング業者が増えています。ただ、土曜祝日に営業していることと、即日での入金に対応していることは別問題です。

土曜祝日に利用したい場合は、土曜祝日の入金に対応しているのかもチェックしておきます。

給与ファクタリングを利用する際の注意点

給与ファクタリングを利用利用する際には以下の4点に注意しなければなりません。

  1. 給与ファクタリングの利用しすぎに注意
  2. ファクタリング業者によっては悪徳業者もある
  3. 基本的に給与ファクタリングを利用できる業者は毎月1社まで
  4. 金融庁や裁判所の判断により給与ファクタリングに対する視線は厳しい

1.給与ファクタリングの利用しすぎに要注意

給与ファクタリングは、基本的に給与日に勤務先から給与が支払われると一括でファクタリング業者に入金をします。

ただ一部には、給与を入金すると次の給与日までの生活費が足りない利用者もいます。その場合、一旦、ファクタリング業者に買い取ってもらった金額と手数料分の金額を入金します。

そして、すぐにファクタリング業者に給与債権を買い取ってもらうことができます。ただ、給与債権の買取のたびに手数料が掛かるため、毎月ファクタリング業者を利用すると生活は一向に改善しません。

実際に、この状況を懸念した七福神では一部個人の給料債権の買取を制限しました。

令和2年4月1日より

連続してファクタリングを利用される際には、買い取るお給料債権の金額を強制的に下げさせて頂きます。一か月以上利用していない期間が空いている場合は今まで通りの金額で契約させていただきますが、連続してのご利用の際には、買い取るお給料債権は下げさせて頂きます。

七福神 お客様へ再契約に関して大事なご報告

給与ファクタリングを利用する場合は、生活の負担にならない範囲で利用することが大事です。

参考:七福神

2.ファクタリング業者によっては悪徳業者もある

ファクタリング業者によっては、「悪徳業者」もあるので注意が必要です。

例えば、2019年12月2日の日経新聞朝刊では、給料ファクタリングについて以下のように報道されました。

返済が滞った女性会社員のケースでは、自宅に3人の男が訪れ「払わなければ勤務先に連絡する」と脅されたという。女性は6万円を借りて1カ月後に13万円を返す生活を半年続けた後、自己破産した。

給料ファクタリングにご用心 狙われる「前借り感覚」日本経済新聞

また一般社団法人日本ファクタリング業協会でも、利用者からの被害が報告されています。

渋谷区東洋〇〇〇〇〇という会社からファクタリング取引を行いました。50万円を60万円で返済ですが15日単位で15万円を請求されています。

日本ファクタリング協会 

給与ファクタリングに関するトラブルで多いのは、

  • 返済が滞った場合に脅される
  • 契約した手数料ではなく、「異常に高い手数料」を請求される

といったものがあります。

参考:給料ファクタリングにご用心 狙われる「前借り感覚」|日本経済新聞/相談対応・苦情対応・紛争解決日本ファクタリング協会

3.基本的に給与ファクタリングを利用できる業者は毎月1社まで

基本的に給与ファクタリングを利用できる業者は毎月1社までです。なぜなら、一つの給料債権を複数の業者に買い取ってもらうことは、「二重譲渡」にあたるから。

二重譲渡をされると、買い取った給与債権の支払いがされなくなる危険性があるため、ファクタリング業者は二重譲渡を禁止しています。

なおアルバイトなどを掛け持ちしている場合は、2社の給与債権を1社ずつ別のファクタリング業者が買い取っても問題ありません。

4.金融庁や裁判所の判断により個人の給与ファクタリングに対する視線は厳しい

給与ファクタリングは、前もって解説した通り「貸金業への登録義務」はありません

しかしある方が、金融庁に対してファクタリングの違法性についての照会をしたところ、2020年3月5日に金融庁は、以下の回答を行いました。

賃金債権の譲受人から労働者への金銭の交付だけでなく、賃金債権の譲受人による労働者からの資金の回収を含めた資金移転のシステムが構築されているということができ、当該スキームは、経済的に貸付け(金銭の交付と返還の約束が行われているもの。)と同様の機能を有しているものと考えられることから、貸金業法(昭和 58 年法律第 32 号)第2条第1項の「手形の割引、売渡担保その他これらに類する方法」に該当すると考えられる。

金融庁における一般的な法令解釈に係る書面照会手続(回答書) 金融庁

このことから金融庁は、現時点では全てのファクタリング業者に当てはまるとは限らないが「ファクタリングが貸金業に該当する」と表明しています。

さらに2020年3月24日に、東京地方裁判所が「給与ファクタリング取引が貸金にあたるため、ファクタリングの契約は出資法違反で無効である」という判決を出しました。

判決は、業者はもともと利用者から回収する狙いだったと指摘。この仕組みは「貸し付けと同じ機能がある」と結論づけた。

その上で、利用者が4万円を受け取り4日後に7万円を支払う今回の契約について、年利換算で「1840%を超える」と指摘。貸金業法で定める年利の上限109・5%を大幅に超えた無効なもので、「出資法にも違反し、刑事罰の対象にもなる」と批判し、業者の請求を棄却した。

「給料ファクタリングは貸金」 金融庁に続き司法も判断 朝日新聞

このように「金融庁」や「東京地方裁判所」などから、個人の給与ファクタリングの利用に対する懸念が出ています。

今後、法律が整備された場合、給与ファクタリングのサービス自体が見直しを迫られるかもしれません。

参考:金融庁における一般的な法令解釈に係る書面照会手続(回答書)|金融庁/「給料ファクタリングは貸金」 金融庁に続き司法も判断 |朝日新聞

まとめ

本記事では、給与ファクタリングの仕組みやメリット・デメリット、注意点などを解説しました。

ポイントは、

  • 給与ファクタリングは、給与債権を業者に買い取ってもらうことで、資金調達ができる方法
  • 給与ファクタリングのメリットは、即日でお金が入金されること
  • 給与ファクタリングは、法律がまだ整備されていない
  • 給与ファクタリングについて、金融庁や東京地方裁判所は貸金と定義している

給与ファクタリングは便利なサービスですが、トラブルが多いためニュースや新聞でも報道される機会が増えています。

悪徳なファクタリング業者も多いので、利用する場合は注意が必要です。