ファクタリング契約書について完全解説!確認項目や注意点を一挙にご紹介

ファクタリングの利用を検討している人に向けて、ファクタリングの契約書内容や、ファクタリング契約書にサインする前の注意点などを解説します。

ファクタリング契約書の内容

ファクタリングの契約書に書かれている文章は難しい言葉を使っていることから、足早に目を通しただけで済ませてしまう場合や、ほとんど読まないというケースもあるのではないでしょうか。

しかし、ちゃんと確認しなかったことが原因で、不利な契約を結んでしまうこともあるため、面倒でも最後までしっかり確認するようにしましょう。

なお、ファクタリングの契約書には、主に以下のような項目が記載されています。

  • 定義(ファクタリング)
  • 契約の目的および対象となる債権の範囲
  • 類似契約の協議
  • 売掛債権と手形の譲渡
  • 売掛債権と手形の管理回収に関する支払い方法の報告
  • 融資
  • 手数料
  • 承諾通知の方法債権および手形変換の可能性
  • 資金返還
  • 遅延損害金
  • 債務者および手形支払義務者に関する報告義務
  • 担保引き渡しおよび権利行使に関する協力
  • 回収に対する協力
  • 期限利益の損失
  • 相殺
  • 担保
  • 免責条項及び費用の負
  • 届け出事項
  • 報告・調査
  • 契約期間
  • 清算事項
  • 保証
  • 合意管轄
  • 別途協議
  • 特約事項

上記の他に、ファクタリング会社ごとに、独自の条項を記載しているケースもあります。

このように、ファクタリングの契約書には数多く項目について記載がありますが、この中で特に確認が必要な重要な項目はどの部分なのか詳しく解説していきます。

ファクタリング契約書を受け取ったときに確認すべき項目

ファクタリングの契約書には非常に多くの内容が書かれているので、隅から隅まで集中して読むのに一苦労します。

そこで、途中で集中力が途切れて、大切なことを読み落としてしまうことのないように、特に注意して読むべきポイントを紹介します。

少なくとも以下の項目については、しっかりと確認してください。

  • ファクタリング手数料
  • 譲渡対象の債権が正しいかどうか
  • いつ返済しなければならないか(支払期日)
  • 債権譲渡通知が必要かどうか(3社間は必須)
  • 債権譲渡登記の有無
  • 償還請求権の有無(利用者側に不利、要確認)※ノンリコースかどうか
  • 担保設定の有無(担保ありは、ファクタリングではない)
  • ファクタリング契約の期間と解約方法
  • 報告義務の有無
  • 損害賠償・違約金などの賠償金等が妥当かどうか
  • ファクタリング契約の解除

上記の項目について具体的に解説していきますので、どのようなことが書かれているのか確認していきましょう。

ファクタリング手数料

ファクタリング利用時には、必ずファクタリング会社に支払う「手数料」が発生します。

手数料の設定は、ファクタリング会社によって異なります。

また、ファクタリングには2社間と3社間の2種類があり、3社間の方がファクタリング会社にとってリスクが減るため手数料は低く設定されています。

ファクタリングでは「手数料」によって資金調達コストが大きく変わるため、まずは手数料がいくら取られるのかをしっかり確認してください。

なお、2社間ファクタリングの相場は10.0~20.0%、3社間の場合は2.0~5.0%が相場です。

相場よりも異常に高い手数料が設定されていないか、契約前にしっかりと確認する必要があります。

また、手数料の他に、印紙代や登記費用などの諸費用が発生する場合もありますので、あわせて確認してください。

譲渡対象の債権が正しいかどうか

ファクタリングの契約書に書かれている「譲渡対象」となる、売掛債権が間違っていないかしっかりと確認してください。

誤って「譲渡対象」とならない売掛債権が含まれているとトラブルに発展してしまう可能性がありますので、細心の注意を払って確認をしてください。

いつ返済しなければならないか(支払期日)

支払期日に遅れてしまうと、最悪の場合は訴訟になることもあるます。

 数日遅れた程度で訴訟にまで発展することはありませんが、遅れた日数分だけ遅延損害金を支払わなければなりません。

 売掛債権を回収する予定よりも期日が前に設定されているなど、不都合な期日ではないかなど見ておきましょう。 

債権譲渡通知が必要かどうか(3社間は必須)

債権譲渡通知とは、ファクタリングを利用したことを売掛先に知らせるものです。

3社間ファクタリングの場合は、売掛債権先に必ず通知を出しますが、2社間の場合は売掛債権先の確認は不要です。

しかし、2社間ファクタリングなのに契約書に債権譲渡通知が必要と記載されている場合は、何か別の目的があるかもしれませんので、悪用されないように警戒してください。

債権譲渡登記の有無

債権譲渡登記とは、債権が譲渡されたということを法務局に登記し、第3者に対して債権譲渡を主張するためのものです。

債権譲渡登記はファクタリングでは必ず行う必要はありませんが、ファクタリング会社によってはリスク回避のため、債権譲渡登記を行う場合があります。

債権譲渡登記をすることで、2社間ファクタリングでも売掛先にファクタリングの利用を知られてしまう可能性があるため、債権譲渡登記を行うかどうかしっかり確認しておく必要があります。 

ただし、法務局に出向いてまで売掛債権を調べる企業はほとんどないので、債権譲渡登記が原因でバレることは少ないと言えますが、万が一のことを考えて契約書で確認しておきましょう。

償還請求権の有無(利用者側に不利、要確認)※ノンリコースかどうか

ファクタリングを利用する上で考慮しなければならないことが、売掛先の倒産などによって売掛債権を回収できなかった場合です。

万が一、売掛金回収前に売掛先が倒産した場合に、支払いを行わなくても済む契約を「ノンリコース」と言います。

またノンリコースではなく「償還請求権」が設定されている契約の場合、売掛金を回収できなかったときはファクタリング利用者側に返済する義務が発生する、とても不利な契約となります。

売掛先に万が一のことがあったときを考えると、「償還請求権があるかどうか」という項目は重要なポイントとなりますので、必ず確認しておきましょう。 

担保設定の有無(担保ありは、ファクタリングではない)

ファクタリングは融資ではなく、売掛債権を買い取ってもらうというサービスです。したがって、担保が必要だという契約はファクタリングではありません。

契約時に担保について持ちかけてくる業者は、悪意のある業者の可能性があるため契約しないでください。

ファクタリング契約の期間と解約方法

ファクタリングは基本的には、1回の取引だけの契約となるため、ファクタリング会社が売掛債権を回収した時点で契約は終了です。

しかし、中には継続利用を希望する企業もあるため、自動更新をする内容が契約書に書かれている場合もあります。

継続利用を前提に契約する場合は、いつまでの期間有効なのか、また解約する方法について事前に確認しておきましょう。

また、継続利用を希望しない場合は、自分でも気付かない間に自動更新の契約になっていないか、しっかりとチェックしてください。

報告義務の有無

ファクタリング会社は売掛先とは直接的な付き合いがないため、売掛先の経営状況について知ることができません。

そのため、売掛先の経営状況が悪化しているなど変化があった場合、ファクタリング利用会社がその旨を、ファクタリング会社に報告する義務が設けられている場合があります。

ファクタリング会社としては、売掛先に万が一のことがあると売掛金が回収できなくなるため、報告義務が契約に含まれているケースが多いです。

もし報告義務を果たさなかった場合には、損害賠償を求められる可能性もありますので注意してください。

損害賠償・違約金などの賠償金等が妥当かどうか

契約を結ぶということは、お互いに果たさなければならない義務が発生するということです。

申込者はファクタリング会社に対して回収した売掛金を支払い義務があり、ファクタリング会社は、申込者に対して買い取った金額を支払う義務があります。

この義務に違反したときに発生する損害賠償や違約金についての記載をしっかりと確認しましょう。

また、違約金や賠償金が発生する条件が不当であったり、金額が大きすぎたりしないかなどもしっかりと確認し、内容に問題があるようなら契約しないことをおすすめします。 

ファクタリング契約の解除

ファクタリング契約後、何らかの契約違反があった場合にはファクタリング会社から契約を解除されることもあります。

ファクタリング会社から契約解除されるのはどのようなケースなのか、契約前に確認しておくようにしましょう。

ファクタリング契約書確認不足による被害例

ファクタリングの契約書の確認不足が原因となって、様々なトラブルに発展しまった例があります。よく耳にするケースとしては、連帯保証人や担保が関係するものです。 

ファクタリングは融資ではないので、連帯保証人や担保は必要ないはずですが、契約書に記載されている場合があります。

本来であれば売掛先が倒産しても、ノンリコース契約のファクタリングは利用者に被害は及びません。

しかし、連帯保証人や担保が設定されているせいで、大きな負債を抱えてしまうことがあるのです。

自社保有の土地が担保となっていために資産を失ってしまうなど、契約書の確認不足によるリスクは非常に大きなものです。

このようなトラブルになることを防ぐためにも、契約書の確認はとても大切なのです。

ファクタリング契約書は条件確認後すべての控えをもらう

ファクタリング会社と契約したあとは、契約書の控えをもらうことを忘れてはいけません。契約内容を確認したから大丈夫だとは限らず、契約後に勝手に内容を変更されてしまう可能性もあるためです。

そもそも、契約書は双方が保管するべきものであって、どちらか一方が所有するものではありません。

それなのに、契約書の控えを渡さないという会社は非常に怪しいため、控えを渡さないような業者との契約はしないでください。

まとめ:ファクタリングの契約は複雑なため十分な確認が必要

契約書の確認はファクタリングを利用する上で、欠かすことのできない重要な作業です。

確認不足が原因でこちらに不利な条件で契約してしまうと、思ってもいなかったトラブルに巻き込まれる可能性があります。

悪質な業者の契約書には、ファクタリングとは言えない項目が記載されているので、この記事で紹介したポイントにしっかりと注目して契約書の確認を行ってください。