新型コロナウイルス感染症による個人事業主向けの緊急融資などを解説! 

新型コロナウイルス感染症により、経済活動の自粛を余儀なくされるなど、個人事業主・フリーランスで打撃を受けている方も多いのではないでしょうか?

収束の兆しも見えず、不安な日々かもしれませんが、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた方向けの緊急融資を受けられる方法などもあります。

今回の記事では、経済産業省の「新型コロナウイルス感染症で 影響を受ける事業者の皆様へ」という資料を参考に、政府としてどのような対応を行っているのかを紹介します。

参考:経済産業省|「新型コロナウイルス感染症で 影響を受ける事業者の皆様へ」

個人事業主・フリーランスとの取引に関する配慮要請について

まず、政府としては個人事業主・フリーランスとの取引がある発注事業者に対して、以下のような要請をしています。

  • 新型コロナウイルス感染症の拡大防止やそれに伴う需要減少等を理由に、契約を変更する場合には、報酬額や支払期日等の新たな 取引条件を書面等により明確化するなど、下請振興法、独占禁止 法及び下請代金法等の趣旨を踏まえた適正な対応を行うこと。
  • 個人事業主・フリーランスが、事業活動を維持し、又は今後再開さ せる場合に、できる限り従来の取引関係を継続し、あるいは優先的に 発注を行うこと。
  • 個人事業主・フリーランスから、発熱等の風邪の症状や、休校に伴 う業務環境の変化を理由とした納期延長等の求めがあった場合には、 十分に協議した上で、できる限り柔軟な対応を行うこと

発注事業者は、契約の変更を行う場合は一方的ではなく、個人事業主・フリーランスからの同意を得るなどの対応が求められています。

万が一、発注事業者から不当な扱いを受けていると感じる場合は下記の連絡先に連絡をしてみてください。

下請駆けこみ寺:0120-418-618

個人向け「緊急小口資金」の特例とは?

個人向け緊急小口資金の特例は、新型コロナウイルスの影響により仕事を休業しなくてはいけなくなった方に対する少額の融資で、特徴は以下の通りです。

対象者新型コロナウイルス感染症の影響を受け、
休業等により収入の減少があり、
緊急かつ一時的な生活維持のための貸付を必要とする世帯
利子無利子
融資額個人事業主等の特例の場合、20万円以内
(その他のケースは10万円以内)
措置期間1年以内
償還期間2年以内

問い合わせ先は、お住まいの市町村社会福祉協議会となっています。個人事業主・フリーランスでイベントが中止になったり、講座や教室がクローズになったりなど「収入減」が分かる資料を用意して説明すると、比較的簡単に審査してもらえるそうです。

個人向け緊急小口資金の特例は、緊急で必要な場合の資金繰り手段として利用し、もし収入減の状態が続き、これだけでは足りない場合に他の融資を利用することをお勧めします。

信用保証における資金繰り支援

信用保証とは、都市銀行や地方銀行などの金融融機関から融資を受ける場合に、全国にある信用保証協会に公的な保証人になってもらう制度です。

基本的な制度では(一般枠など)信用力により保証料は異なりますが、融資額面の80%程の保証になることが多いです。

金融機関などの銀行としては、万が一債務者が融資したお金を返済できなくなってしまった場合に、保証割合分はカバーされます。そのため、金融機関独自での融資(プロパー融資)に比べると貸倒リスクを低くすることができるのです。

信用保証の枠は一般枠が担保ありで2億円、担保なしで8千万円の2億8千万円ですが、今回の新型コロナウイルス感染症対策として、以下の別枠が設けられています。

  • セーフティネット4号・5号
  • 危機関連保証

実際に借りられる融資金額は、企業の規模・信用力・将来性などによりますが、足元で業績が悪化していても融資が受けやすくなります。

セーフティネット4号・5号

セーフティネット4号は、 売上高が前年同月比▲20%以上減少等の場合に利用できる制度です。全国47都道府県を対象地域に100%保証となっており、万が一債務不履行となった場合にも金融機関に対して全額保証されることになります。

セーフティネット5号は特に新型コロナウイルスの影響により重大な影響が生じている業種について、借入債務の80%を保証されます。

このセーフティネット4号・5号は、一般枠とは別で最大2億8千万円(4号・5号は同枠)利用できます。

危機関連保証

一般枠・セーフティネット4号・5号だけでは足りない場合には、「危機関連保証」が更に別枠で2億8千万円分用意されています。資金繰りが逼迫している全国・全業種の事業者を対象に100%の保証で、売上高が前年同月比▲15%以上減少する中小企業・小規模事業者(個人事業主・フリーランス)が対象です。

融資での資金繰り対策

政府系の金融機関(日本政策金融公庫・商工中金)を利用した融資制度としては、以下の対応が用意されています。

  • 無利子・無担保融資(新型コロナウイルス感染症特別貸付・危機対応融資融資)
  • マル経融資
  • セーフティネット貸付

特に、個人事業主・フリーランスに関係のある「新型コロナウイルス感染症特別貸付」及び「危機対応融資」とについて説明します。

新型コロナウイルス感染症特別貸付

新型コロナウイルス感染症特別貸付」は、日本政策金融公庫による融資制度です。新型コロナウイルスにより売上減などの影響を受けた法人・個人事業主向けの融資で、他の日本政策金融公庫からの融資とは別枠で最大6,000万円まで借入ができます

据置期間(元金を返済しなくても良い期間)は5年間で、信用力・担保の有無に関わらず利子は一律です。

参考:日本政策金融公庫|「新型コロナウイルス感染症特別貸付」と「特別利子補給制度」の併用による実質的な無利子化融資のご案内

危機対応融資

商工中金でも「危機対応融資」という融資制度を用意しており、用件については上述の「新型コロナウイルス感染症特別貸付」とほぼ同じです。融資限度額は3億円となっており、より多く多くの資金が必要な場合は商工中金を利用した方が良いと言えるのではないでしょうか。

参考:商工中金|商工中金の危機対応業務

特別利子補給制度が利用できる要件

特別利子補給制度について、法人の場合は売上▲20%以上などの要件がありますが、個人事業主・フリーランスについては要件なく適応されます。従って、個人事業主・フリーランスが新型コロナウイルス感染症特別貸付や危機対応融資などを利用した場合は、実質無利子で融資が受けられるのです。

利子補給の範囲としては、日本政策金融公庫では3,000万円までは実質無利子で融資を受けられることになっています。3,000万円を超える部分については規定の利子を支払う必要があり、無利子枠は日本政策金融公庫と商工中金の合算で考えなくてはいけません。

また、商工中金の融資では利子補給の上限が1億円までとなっています。

さらに、実質無利子の期間はどちらの融資も当初3年間だけなので、それ以上は規定の利子がかかる点に注意してください。利子は一旦支払った後に、後からまとめて返金される仕組みとなっています。

まとめ

新型コロナウイルスにより、経済活動はいつまで停滞するか分かりません。このまま自粛が続き、収入も減ってしまえば、手元資金でまかなうのも厳しくなるでしょう。

政府としては、個人事業主・フリーランスを救済するために、以下のような対応をしています。

  • 個人事業主・フリーランスとの取引に関する配慮要請
  • 個人向け緊急小口資金の特例
  • 信用保証における資金繰り支援
  • 融資での資金繰り対策(無利子・無担保融資など)

このようにさまざまな支援がありますので、事業や生活が苦しいと感じるならば各窓口へ相談してみてください。このような緊急事態なので、日本政策金融公庫・商工中金・保証協会は土日も窓口を開けており、柔軟・迅速に対応してもらえる可能性が高いようです。