青色申告とは?白色申告との違いとメリット・デメリット

白色申告よりも青色申告のほうが多くの控除を受けられることは、なんとなく知っているけれど、調べるのがめんどうで放置している…。その2つの何が違うのか、正しく理解できていない…。という方は多いのではないでしょうか。

本記事では、個人事業主の方に向けて、確定申告で損をしないために「青色申告の基礎知識」をご紹介します。

青色申告(制度)とは?

1年間の所得金額を申告する「確定申告」の際に、所得金額の計算などにおいて有利な扱いが受けられる申告制度のことです。

青色申告が受けられる条件|誰が、青色申告を使えるの?

青色申告を行なうことができるのは、不動産所得、事業所得、山林所得を持っている人です。多くの個人事業主の方に関係するのは、不動産所得もしくは事業所得のどちらかでしょう。

参考:国税庁 / 青色申告ができる条件、できない条件をそれぞれ解説!|freee株式会社

青色申告と白色申告の違い|「青」と「白」の違いって?

ここでは、確定申告でよく話題にあがる青色申告と白色申告の違いについてみていきます。

確定申告の3つの申告書類

確定申告には、白色申告と青色申告2種類の計3種類があります。下図を頭に入れておけば、確定申告に必要な申告書類の全体像がつかみやすくなると思います。

確定申告の3つの選択肢

  1. 白色申告(控除なし)
  2. 青色申告(10万円の控除)
  3. 青色申告(55万円の控除)※令和2年より変更

青色申告の場合は、10万円控除か55万円控除を選択することができます(もちろん、55万円控除のほうがお得)。また、e-Tax による申告(電子申告)又は電子帳簿保存を行なうと、 65 万円の青色申告特別控除が受けられます。

記帳のルールや提出期限など、55万円(または、65万円)の控除を受けるための条件が定められているので、注意が必要です。

青色申告と白色申告の3つの違い

白色申告と青色申告の違いは、主に3つです。

  • 必要な決算書の種類
  • 税制上の優遇措置があるかどうか
  • 承認手続きが必要かどうか

①必要な決算書の種類が違う

白色申告の場合は、収支内訳書が必要です。収入と支出が書かれた家計簿やお小遣い帳みたいなものと考えると分かりやすいでしょう。白色申告の作成には、簿記など専門的な知識をあまり必要としません。

一方の、青色申告は、税務署の指導のもと、「現金出納帳」や「仕訳帳」、「総勘定元帳」などの書類(青色申告決算書)を正規の簿記のルールに従って記帳する必要があります。

②税制上の優遇措置があるかどうか

白色申告の場合は、税制上の優遇措置はありません。一方の青色申告は、簿記の知識は必要ですが、上記の申告書類をしっかり作成して提出すれば、10万円の控除もしくは55万円の控除といった優遇措置を受けることができます。

③承認手続きが必要かどうか

青色申告を行なうには、条件(リンク)を満たした上で「税務署の承認」を受ける必要があります。方法としては、所得税の青色申告承認申請書に必要事項を記入し、申告する年の3月15日までに税務署に提出します。期限内に届け出を出していない場合は、自動的に「白色申告」になります。

参考:青色申告特別控除の10万円控除とはなにか? 白色申告との違い|スモビバ!

青色申告のメリット(特典)|具体的にどんな有利な扱いを受けられるの?

青色申告で受けられる税制上の優遇措置(特典)について主な4つをご紹介します。

青色申告特別控除を受けることができる

青色申告の最大のメリットは、55万円の特別控除を受けられることです。不動産所得もしくは、事業所得が生じる事業を行なっている人のなかで、正しい簿記のルール(一般的には「複式簿記」)で記帳している人であれば、この青色申告特別控除により55万円を儲けから差し引くことができます。もともとは、65万円の特別控除が受けられていましたが、令和2年に改正されました。 e-Tax による申告(電子申告)又は電子帳簿保存を行うと、 引き続き 65 万円の青色申告特別控除が受けられます。

青色申告特別控除を受ける条件として、確定申告の提出期限である3月15日までに必要書類を税務署に提出する必要があります。提出が1日でも遅れてしまうと10万円の控除になってしまうので、もし青色申告を利用する場合は期限に十分に注意してください。

青色事業専従者給与の必要経費算入ができる

基本的には、家族に支払う給料だとしても、それを経費として計算することはできません。しかし、青色申告の場合は、条件を満たしていれば、一緒に生活している家族や配偶者に払う給与を経費として計上することができます。

ただし、その家族が専ら業務についていること、15歳以上であること、業務に見合った正しい給与であること、といった条件があるので、しっかりチェックしておいてください。

ちなみに白色申告には、最大86万円を儲けから控除することができる「専従者控除」という制度がありますが、「青色事業専従者給与」の場合は上限がありません。

貸倒引当金を経費として計上できる

貸倒引当金の話に関しては、正直、簿記の知識がないとほとんど理解することができません。一応、下記でどういう流れで優遇が受けられるのかということだけ、ご説明しておきます。

事業所得が生じる事業を行なう青色申告者で、事業を行なう上で生じた売掛金(=ツケ)、貸付金などの貸倒れによる損失の見込額として、年末における賃金の帳簿価額の合計額の5.5%以下の金額を貸倒引当金勘定へ繰り入れをした場合は、その金額は必要経費として認められます。

要は「事業を行なうなかで、クライアントがお金を払ってくれない、貸したお金を返してくれないというリスクに備えて、正しく帳簿をつけた場合は、その金額も必要経費として認めるよ」ということです。

純損失の繰越しと繰戻しができる

開業して間もないときや事業を拡大するフェーズにおいては、経費がかさみ赤字になるケースも多々あります。こういった場合に利用できるのが「純損失の繰越控除」です。

赤字の分を、次の年以降の3年間に発生した所得金額(黒字分)と相殺してくれる制度です。もし、前年度が50万円の赤字で、今年度は100万円の黒字だった場合は、青色申告では、100万円-50万円で50万円にかかる税金だけを払えば良くなります。

ちなみに白色申告では、この優遇措置は受けられません。上記の例だと、100万円(黒字分)にかかる税金をすべて支払う必要があります。

30万円未満の固定資産は全て経費になる(少額減価償却の特例)

パソコンや車などを利用する事業を営んでいる方もいるかと思います。本来、パソコンや車など1年以上利用する備品で10万円以上の金額のものは、減価償却を行なう必要があります。

しかし、青色申告を行なっている人に限っては、30万円未満のものであれば、それらを全て経費として計上することができます。

ただし、この制度を受ける場合、資産額の合計金額が年間300万円までと上限が決まっているので注意してください。

参考:No.2070 青色申告制度|国税庁 / 青色申告とは何か、白色申告と何が違うのか(メリットとデメリット) / 青色申告と白色申告の違いと節税効果について|スモビバ!

青色申告を行なう際のデメリットや注意点

白色申告に比べて、優遇措置の多い青色申告ですがデメリットや注意点もあります。

簿記の知識は必須

先ほどから何度も出てきていますが、青色申告を行なう場合は、正しい簿記のルール(複式簿記)に則って書類を作成する必要があります。そのため、全く簿記がない人が、青色申告を利用するのは、やや難しいかもしれません。(freeeとか紹介する?)

期限が厳しい

青色申告を行なう際には、期限に注意するようにしましょう。青色申告を行ないたいと思っていても、期限内(2月16日~3月15日の間)に必要書類を税務署に提出できなければ、自動的に白色申告にされてしまいます。

青色申告を行なう際は、この点に十分注意しましょう。

青色申告の期限と必要書類|何をいつまでに申告すればいいの?

さいごに、青色申告の申告方法について簡単にまとめておきます。

書類の提出期限

青色申告の承認を得たい年の3月15日までです。もし、その年の1月16日以降に新規で事業を開業された場合は、業務開始日から2か月以内の提出が必要です。

必要書類

青色申告で必要な書類は大きく分けて3つです。

  1. 確定申告書(B)
  2. 各種控除を証する書類
  3. 青色申告決算書

税務署から青色申告の承認を得られるように、必要書類をしっかり準備し期限内に提出するようにしましょう。

参考:青色申告とは?対象者や白色申告との違いを解説|青色申告の基礎知識 / 青色申告とは何か、白色申告と何が違うのか(メリットとデメリット)

まとめ

本記事では「青色申告とは何か」について、白色申告との比較を交えながらご紹介しました。

ポイントは、

  • 確定申告には、青色2つと白色1つの合計3種類ある
  • より多くの控除(メリット)を受けられるのは「青色申告」
  • 青色申告の書類作成には、簿記の知識が必要
  • 青色申告の利用には、期限内(3/15まで)に、必要書類を提出する必要がある

です。

本文でもお伝えしたように「青色申告制度」を上手に活用すると、多くの優遇措置を受けることができます。本格的に事業を行なっている個人事業主(フリーランス)の方は、この際に青色申告の活用を検討してみてはいかがでしょうか。

関連記事:白色申告で開業届は必要?不要?青色申告との違いを紹介|TechBiz