ゼロからわかる!フリーランス、自営業のためのお金の超基本【前編】

こんにちは。ファイナンシャルプランナー・家計再生コンサルタントの横山光昭です。 

今、この記事を目にしている人のほとんどは、フリーランスもしくは自営業者として働きつつ、ご自分の今後の生活や将来に関して、何らかの不安を持っておられるのではないかと思います。

  • 収入はそれなりにあるし、ムダ遣いをしているつもりもないのに、なぜか手元にお金が残らず、貯金もできない
  • 今はいいけれど、歳をとっても同じように仕事をもらえるのだろうか
  • 病気やケガで働けなくなったらどうしよう
  • 老後の資金として、年金以外に2000万円必要だと言われているけれど、目の前の生活でいっぱいいっぱいだし、退職金もないのに、2000万円ものお金を作れるだろうか

 こうした悩みや問題を抱えている人は、たくさんいるのではないでしょうか。

それに、フリーランスの人が考えなければいけないことはたくさんあります。

  • 「税金」「節税」「確定申告」
  • 「貯金」「投資」「老後資金」
  • 「経費」「収入の増やし方」

これだけのことを一気に考えたり、覚えたりするのは大変です。

そこで、ファイナンシャルプランナー・家計再生コンサルタントの私が、これまで数多くのフリーランス、自営業の方の家計相談をしてきた経験から導き出した「お金の超基本」をお伝えしたいと思います。2020年4月に出版した『ゼロからわかる!フリーランス、自営業のためのお金の超基本』からの、大切なところを抜粋しご紹介します。

フリーランス、自営業向けのお金の超基本「お金のチェックリスト」

まずは、あなたの「お金の現状」をチェックしましょう。

  • 毎月、お金の管理をしている
  • 売上と所得の違いを説明できる
  • 国民年金保険料を払っている
  • 国民健康保険料を払っている
  • 確定申告は青色でやっている

できているものには〇、できていないものには×をつけてみましょう。チェックリストのうち、2つ以上×がある人は、「ちょっと心配」な人かもしれません。

フリーランス、自営業の人にとっては、この6つができているかどうかは、非常に大切です。この6つをきっちりできるようになること、それがお金の超基本です。

「売上」と「所得」の違いを説明できるか

さて、この中で特にフリーランスの方に知っていただきたいのは、

  • 売上と所得の違いを説明できる

この項目です。

「売上」と「所得」の違いを意識する

フリーランス、自営業の人のお話を聞いていると、「一見羽振りが良さそうなのに、実際にはあまりお金がない」というケースがよくあります。

売上はかなりの額に達しているのに、お金に困っていたり、まったく貯金ができていなかったりするのです。

そして、たいていの場合、その理由は「経費がかかりすぎている」点にあります。

たとえば、商品の売上自体は1000万円あっても、オフィスの家賃や交通費、仕入れ費などのコスト(経費)が700万円であれば、手元に残るお金(所得)は300万円となってしまいます。

しかし、売上が大きいと、つfい気が大きくなり、ムダに経費を使ったり、本当は所得(300万円)に合わせなければいけないのに、売上(1000万円)の方に合わせた生活を送ってしまったり、といったことが、しばしば起こります。

そうすると、手元の資金がどんどん心細くなり、売上だけはあるのに借金をする羽目になったり、場合によっては倒産してしまったりすることもあります。

このように、経費が大きすぎて、所得が極端に少なくなってしまう状態を、私は「経費貧乏」と呼んでいます。

何よりもまず大事なのは、売上と所得の違いを意識することです。

所得の少ない「経費貧乏」にならないために

そのうえで、

  • いくら売上が伸びても、所得が伸びなければ意味がないということを理解し、売上を伸ばす努力をすると同時に、ムダな経費をできるだけカットすること
  • 特にフリーランス、自営業の人は、売上の額に惑わされず、所得に応じたお金の使い方をし、ライフスタイルを構築すること

その2つが、経費貧乏に陥らないためには必要不可欠なのです。

経費の収支を見落とさない

また、経費の見落としが多いのも問題です。

例えば、A社の仕事で必要な経費を貯金から20万出し、数か月後、50万円入金があった。

この場合、差し引き30万円が収入のはずですが、貯金からの持ち出しを忘れ50万円全額を「その月の売上」ととらえる錯覚が起きやすいといえます。

20万円を貯金に戻す、その後、30万円からいくら貯金に回すかなど使い道を決めるのが正しいプロセスです。

しかし、50万円入金があった。10万円貯金し、その他は生活費に使った。となると、貯金が10万円減っただけに。これではなかなか貯まりません。 

将来の不安を消すためには、収入と支出のバランスを整えるだけでなく、経費貧乏に陥らないライフスタイルを作る、経費の収支を見落とさないことが重要です。

国民年金は、安全で確実な投資

次に重要な項目は、

  • 国民年金保険料を支払っているか

です。

国民年金保険は、「額が少ない」と評判は悪く「将来は年金が破綻するから払い損」という話はよく聞きます。しかし、国民年金は安全で確実な投資です。こんなお得な制度を使わないのはもったいなさすぎます。

国民年金を満額しっかり払ったとすると、支払額より支給される額が20年で800万円、30年で1500万円も上回るというお得な制度です。これほど安全で得な制度は見当たらないので、ぜひ利用すべきです。

カンタンに説明しましょう。

40年間全額納付した場合、支払った保険料は総額で787万6800円です。1か月あたりの受給額は、約6万5000円。

これを元に計算すると

  • 75歳までもらった場合(10年) 約780万円
  • 85歳までもらった場合(20年) 約1560万円
  • 95歳までもらった場合(30年) 約2340万円

いかがでしょうか。確かに月々で見ると「たった6万円でしょ」という気持ちになるのもわかりますが、最初の10年で支払った分はすべて戻ってきており、10年以降は長生きするほど得をします。

「そんなに長生きするつもりはない」という人もいるかもしれませんが、自分が何歳になるまで生きるかなど、誰にも分りません。実際に、年金はもらえるかわからないから、支払わないと考える自営業者は多くいました。

ある夫婦は70歳になっても、年金をもらえず、「夫婦で13万円もらえたら、どれだけ生活が楽か」と口癖のように言います。国民年金は老後のセーフティネット。おまけに得をする制度です。フリーランスの方は、絶対に払うべきと断言できます。

生活費1年分の貯金を持っておく

  • 生活費1年分以上の貯金がある

こちらは、フリーランスの方によく聞かれる話です。「いくら貯金があれば安全か」それは生活費1年分と私は答えています。

サラリーマン家庭の皆さんには「生活費7.5ヵ月分」とお話していますが、なぜフリーランスの方が多く貯めておかなければいけないのか。それは健康保険の傷病手当金などの万が一の時に補填されるお金がないためです。

余裕をもって病気の治療ができるか、次の仕事を探せるかなど、いざという時にお金があるかないかで人生は大きく変わります。貯金は、フリーランスの人にとっての命綱。

ぜひ、次回の記事では「誰でも貯金体質になれるお金の管理術」(カードを2枚用意するだけ)をお話します。1年分の貯金を貯めるための方法、ぜひご期待ください。

参考:横山光昭『ゼロからわかる! フリーランス、自営業のためのお金の超基本