「自由に働きたい!」その思いからフリーランスを目指す会社員の方は今では少なくありません。働く場所が自由。働く時間も自由。会社員では一生叶うことのない自由を求め、新たな働き方へ挑戦する方・・・ちょっと待ってください。
会社員からフリーランスになる前に、やっておくべきことがあります。フリーランスになってから困らないように、会社員であるうちにできることはやっておきましょう。
「何をすればいいの?」とちょっと自信のない方は今一度立ち止まってこちらの記事を参考にしてみてください。
そもそもフリーランスってどんな人?
フリーランスとは、辞書的に言えば、特定の組織に属さず個人で仕事をしている人のこと。
中には自分ひとりで会社を作る(法人化する)人もいます。個人で働く働き方のことをフリーランス、そしてフリーランスとして働く人のことをフリーランサーと呼び、名称を分けることもあります。
職業としては、カメラマン、イラストレーター、ライター、システムエンジニアなどが代表的。
毎日会社に通勤をする会社員とは違って、フリーランスは働く場所も時間も自由。その会社員にはない自由な働き方を求め、サラリーマンからフリーランスを夢見る方がたくさんいます。
フリーランスと会社員の3つの違い
ここではフリーランスと会社員の違いについてみていきましょう。
違い1:働き方や仕事の「量」が違う
フリーランスと会社員は働き方が根本的に違います。
まず、仕事の「量」ですが、フリーランスは自分で仕事を獲得してくるため、自分がどれだけ契約を獲得したかで仕事の量が変わります。
違い2:「報酬」が違う
フリーランスは「報酬」については、自分自身のスキルや契約数によって決まります。会社員なら、会社から仕事が割り振られ、決まった給与テーブルに従って給料が支払われますが、フリーランスはそうではないのです。
つまり、フリーランスには仕事がなくなってしまうとすぐ無収入になってしまうというデメリットも。
違い3:社会的「信用」が違う
毎月、半ば自動的に会社から給料が振り込まれる会社員に比べて、フリーランスは収入が不安定な傾向にあるので、金銭的信用を得ることが難しいです。
また会社員と違って、フリーランスは自分を表す際会社名を利用することができません。「あの会社の社員だから大丈夫だろう」という今まで得てきた恩恵を一切得ることができず、自分の力のみで信用を勝ち取っていく必要があります。
そのため、クレジットカードの発行や住宅ローンの申し込みなど、今後の支払いに対する信用を必要とする申し込みは会社員の頃と比べて格段に通りにくくなります。フリーランスになる前にこのことをしっかりと認識しておくようにしましょう。
フリーランスとして独立する前に!これだけはやっておきたいこと11選
ここからは今脱サラを考えている方に読んでほしい、フリーランスになる前に準備しておくべきことを11こまとめました。会社員のうちからできること・やっておくべきことはたくさんありますので、ぜひ参考にしていただければ幸いです。
1.クレジットカードをつくる
フリーランスになると新しいクレジットカードの審査に通りにくくなります。十分な収入の証明ができるようになるまでは、新規発行は難しいと心得ましょう。そのため、もしクレジットカードを持っていない場合は会社員であるうちに発行手続きを終えるようにしておくのがおすすめです。
2.住宅ローンについても考えておく
住宅ローンの審査もクレジットカードと同じく通りにくくなります。住宅ローンの審査時には、借主がローンをきちんと返済できるかどうかの判断材料として、勤務先と年収を申告することになっています。
しかし、フリーランス1年目だと収入もそれほど多くなく、審査を通過するのが難しくなります。家を買う予定がある方は、会社員のうちから計画的に住宅ローンを組んでおくと良いでしょう
3.引っ越しは計画的に
フリーランスは家を借りられない。これはフリーランス界隈でよく耳にする言葉。フリーランスは会社員に比べて収入が不規則なため、支払いに対する信用度が低く大家さんが家を貸すことを嫌がることもあります。
引っ越しの予定がある方は、会社員のうちに入居審査まで終えられるよう計画的に引っ越しを行うようにするとベストです。
4.健康保険の手続き
フリーランスになると、健康保険は国民健康保険に切り替える必要があります。退職後に手続きが必要なので、忘れずに手続きをするようにしましょう。
希望すれば、会社で加入していた健康保険を任意継続することもできます。どちらが自分にとって得となるのか比較した上で決めるようにしましょう。
以下のフリーランス向けの国民健康保険の記事も参考にしてみてください。
5.年金の手続き
フリーランスになると、厚生年金から国民年金へ切り替える必要があります。厚生年金の脱退手続きは、退職時に会社が行ってくれます。自分自身で手続きをする必要があるのは、国民年金への加入です。
原則的に退職から14日以内に手続きを行う必要があります。忘れずに窓口を訪れるようにしましょう。
6.開業届を出す
フリーランスになると決めた後は税務署へ開業届を提出しましょう。これで個人事業主になれます。
開業届を出さなくてもフリーランスとして仕事ができますが、そうなると確定申告を「白色申告」ですることになり、本来青色申告で受けられるはずであった控除を受けられなくなります。(フリーランスの税金について詳しくは以下を参照)
要は、白色申告のままだと青色申告に比べて、多く税金を支払うことになってしまうのです。そのため、フリーランスになる時には開業届を提出し、合わせて青色申告承認申請書の提出も行うようにしましょう。
7.青色申告承認申請書を出す
開業届を出したら次はこちら。青色申告承認申請書の提出です。
青色申告承認申請書は確定申告を青色申告で行うための申請書。こちらの申請書を提出していると、確定申告の際最大65万円の控除を受けることができます。白色申告よりずっとお得になりますので、忘れないように提出しましょう。
8.会計ソフトの導入
フリーランスになると確定申告を自分で行わなければなりません。経費の精算や売上の管理ももちろん自分。すべて手作業で管理をしようとすると、ボリュームが増えるごとに複雑になります。
そのため、フリーランス1年目のうちに会計ソフトを導入しておくことをおすすめします。
会計ソフトの中でも、ダウンロード版ではなくクラウド上で管理をするもの(クラウド会計ソフト)がおすすめ。
クラウド会計ソフトは初心者にこそ使いやすいように設計されており、会計が初めての方でも扱いやすいように作られているからです。
参考:【個人事業主向け】面倒な確定申告を効率化!便利な会計ツールもご紹介
9.仕事用の口座の開設
仕事用の口座は必ずしも必要なものではありませんが、あると便利です。
毎月の経費精算や売上の管理を行うときなどに私用と混ざらないため、楽に管理を行うことができます。また、取引先からの入金口座としても利用することができます。
10.仕事用のメールアドレスの用意
仕事用のメールアドレスはフリーランスの必須アイテム。早めに用意するようにしましょう。私的なメールと混ざってしまうと、仕事のメールを迅速に確認することが難しくなります。
社会人にとって、仕事のメールは早めに返信した方が相手からの心証がいいもの。それはフリーランスでも変わりはありません。
そのため、仕事のメールのみを迅速に確認できるよう、フリーランスになることを決めたらすぐにメールアドレスは用意するようにしてください。
11.営業活動をする
フリーランスは会社員とは違って自分で仕事を取ってくる必要があります。フリーランス1年目は実績もツテも少なく、仕事の獲得に時間がかかることが想定されます。そのため、フリーランスになると決めたらすぐに営業活動を開始するようにしましょう。
営業活動は会社員のうちから可能です。退職後すぐに仕事ができるよう、早いうちから案件獲得に向けて行動を開始しましょう。
まとめ
フリーランスになる前、会社員のうちからできる準備はたくさんあります。その中には、フリーランスになってからでは難しいものも。脱サラを検討している方は、退職日を考えそれまでに各種手続きを終えられるよう計画的に準備を進めるようにしましょう。